プログラミング言語がたくさんあるなかで、どれを勉強するか悩む人も多いはず。特にRubyでできることって何があるんだろう?という疑問を持つ方に向け、記事を書きました。
Rubyについて、プログラミングのオンライン講座を手掛ける当メディアが
- 特徴
- できること
- 勉強するメリット
- 実際に利用されているサービス
を初心者にもわかりやすく解説しています!Rubyについてどんな言語か詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください!
監修者:平井 隆嗣
システム開発に加えてマーケティングまで対応し、集客や売上に貢献するエンジニア。
開発会社にて4年間の勤務をし、リーダーとして活躍したあとフリーランスとして独立。WordPress導入、デザイン、開発、アプリケーション開発などを幅広く手掛ける。
監修者:迫 佑樹
株式会社SkillHacks代表取締役。大学在学中からプログラミングスキルを身につけ、フリーランスエンジニアとして独立。
自身の経験を活かしプログラミングを教え、その知見からオンラインスクール事業Skill Hacksを運営。そのほか、実店舗ビジネスや知識プラットフォームBrainなどさまざまなビジネス経営中。
Rubyとは?特徴をサクッと解説
Rubyは1993年に誕生したプログラミング言語で、コードがシンプルで読み書きしやすいのが特徴です。
たとえば、以下のようなサービス開発に積極的に使われています。
- Webアプリケーション
- ショッピングサイト
- SNSサイト
有名なサービスでは、食べログやWantedly(ビジネス向けSNSサービス)などがRubyで開発されています。
RubyはRuby on Railsなどのフレームワークが豊富にあるのが大きなメリットです。
フレームワークとは、アプリケーションの処理を簡単に実装できる仕組みのこと。アプリは0から作るととても大変なので、手間を省くためのフォーマットをある程度用意してくれていたり、簡単に実装できるようにしてくれたりするのがフレームワークです。
フレームワークは頻繁に使う基本的な機能をまとめて提供してくれるので、プログラミングの時に使うとかなり効率がアップします。
Rubyでできること7選
Rubyの特徴は汎用性の高さ。さまざまな開発が1言語でできるのが魅力です。
ここでは、Rubyで開発できるものを7つ紹介します。
- SNS開発
- ショッピングサイト開発
- Webアプリケーション開発
- スクレイピング
- クローラー
- チャットボット
- ゲーム制作
1. SNS開発
Ruby on Railsを活用すると、以下のような機能を簡単に制作できます。
- ユーザー登録
- ログイン
- 投稿データの管理用データベースの作成
実際にSNSやマイクロブログサービスでは、Rubyが使われているケースが多いです。他のSNSと連動したログイン機能や、スマホ対応のレスポンシブデザインも簡単に対応できます。
2. ショッピングサイト開発
ログインやユーザー登録に関する機能を簡単に設定できるので、ショッピングサイトの開発も可能です。
なお、Rubyにはショッピング用のパッケージSolidusがあります。これを利用することで、決済機能を簡単に実装できるのがメリットです。もちろん、Rubyを活用して0から決済機能を作ることもできますよ。
3. Webアプリケーション開発
ブラウザ上で利用できるWebアプリケーションの開発は、Rubyの得意分野。おそらくRubyが最も活用されているジャンルです。
インターネットを介したサービスを作るときにRubyを活用することで速く作成できるのが強み。Ruby on Railsにもアプリケーション作成に役立つパッケージは多いので、効率的に制作をすすめられます。
4. スクレイピング
スクレイピングとは、Web上にある情報を自動収集し、加工してアウトプットする技術を指します。
Rubyのライブラリにはスクレイピングに対応したNokogiriがあり、HTMLの情報を簡単に収集可能です。タイトルや画像など必要な部分を引っ張って、好きな形に加工できるので便利ですね。
5. クローラー
Web上のリンクをたどり、情報収集をするクローリング。このクローリングを自動で行うプログラムであるクローラーの作成もRubyならば短いコードを打つだけで可能です。
- open-uri
- nokogiri
といったライブラリを使えば、クローラーを実装できますよ!
クローラーを活用することで、最新ニュースを集めたり、SNSのタイムライン情報を取得することもできるようになります。
6. チャットボット
チャット上で自動返信を行う、チャットボットの開発もRubyで手がけられます。閲覧者のよくある質問に回答でき、手軽に使えるため、企業のサービスサイトに導入する事例も増えていますよね。
チャットボットはLitaというライブラリを使うことで実装できます。Slackで自動応答するSlackボットも同様にRubyで作れますよ!
7. ゲーム制作
Rubyにはゲーム開発に特化したライブラリもあります。
- Gosu
- DXRuby
などのライブラリを使えば、2D ゲームの開発も可能です。
Rubyは、ある特定の問題に特化した記述である、内部DSLを作るのに向いているという強みがあります。これによりゲーム開発における記述を短縮できるのがメリットです。
Rubyが苦手なこと2選
多くのものが開発できるRubyですが、一部の開発には向いていません。
- 機械学習
- スマホアプリ開発
これらを実現するには、他の言語のほうが向いています。勉強すべき言語も合わせて解説していきます。
1. 機械学習
コンピューターに大量のデータを受け渡し、分析や予測などをするモデルを自動構築する機械学習。この分野ではPythonが有名です。
Rubyには処理速度が遅めという弱点があるため、機械学習にはあまり向きません。関連するライブラリも充実していないので、他の言語を用いたほうが良いでしょう。
2. スマホアプリ開発
Rubyでもスマホアプリの開発はできますが、情報が少ないためおすすめしません。スマホアプリを作るならば、以下のような言語のほうが一般的です。
<Androidアプリ>
- Java
- Kotlin
<iOSアプリ>
- Swift
- Objective-C
開発者が多い言語のほうが情報も多いため、学習で挫折しにくいでしょう。そのため、スマホアプリ開発を一番の目的にするならば、Rubyはおすすめしません。
なお、Rubotoなどのライブラリを利用すれば、Rubyでもアプリ作成自体は可能です。すでにRubyを使っている方であれば、挑戦してみても良いかもしれませんね!
アプリ開発に強い言語、それぞれの特徴について「【保存版】アプリ開発に必要な言語12選!身に付けておきたい3つのスキルも紹介」で詳しく解説しています。
スマホアプリ開発をしたい方はこちらもぜひご覧ください!
Rubyの5つのメリット
Rubyを勉強するのには多くのメリットがあります。ここでは5つ紹介していきます。
- 日本語の記事や書籍が多い
- 汎用性が高い
- 文法がわかりやすい
- オブジェクト指向を学べる
- Ruby on Railsを使える
1. 日本語の記事や書籍が多い
Rubyを開発したのは日本人の「まつもとゆきひろ」氏。だからこそ、Rubyに関する日本語の情報が豊富です。
プログラミング学習や現場において、情報を探す場面は多いもの。課題を解決したいときにそもそも情報が少なかったり、英語を読み漁らないといけなかったりすると負担になりますよね。
その点、Rubyならば日本語の情報が数多く揃っているので、初学者にも安心です。
2. 汎用性が高い
Rubyの強みは汎用性の高さにあります。システムやアプリケーション開発に使えるので、ひとつの言語でさまざまな開発ができます。さらにMac ,Windows、Linuxなど動作環境も制限されないところもメリット。
そのため、複数の言語を使って開発をしたくないとき、Rubyは重宝されます。また、複数のエンジニアを雇う余裕がないようなベンチャー企業ではRubyエンジニアの需要が高いです。
3. 文法がわかりやすい
Rubyはシンプルな文法で記述できると言われています。
記述量も少なめで済むので、初心者の学習にもピッタリ。他のプログラミング言語を使うと6行、7行とコードを書かなければいけない処理でも、1行で済むこともあります。
スッキリとまとめることができるので、わかりやすいのが魅力です。
4. オブジェクト指向を学べる
Rubyを勉強すると、オブジェクト指向も身につきます。
オブジェクト指向は「もの」を組み立てるように表現するプログラミングの考え方です。
たとえば、車のデータを作るときにあらかじめメーカーや色などを設定できるようにしておきます。それを車種ごとに定義することで、分業しやすくなったり、修正も容易になったりするのがメリット。
簡単に言うと、複数人での作業がしやすくなり、開発も効率的に行えるようになりる考え方です。
オブジェクト指向を前提にしたプログラミング言語は多いので、最初に身に着けておくのがおすすめ。他の言語を勉強するときもスムーズになります。
なお、オブジェクト指向についてさらに詳しく知りたい方は、「PHPにおけるオブジェクト指向とは?理解するメリットや3大要素まで徹底解説」の記事が役立ちます。
5. Ruby on Railsが使える
フレームワークとして優秀なRuby on Railsが使えるのも強みです。
Ruby on Railsはさまざまな機能を備えているので、少ない労力でWebサイトやサービスを制作できます。これにより、開発工程、コスト削減が可能です。
特に素早くサービスをリリースしたいベンチャー企業やスタートアップではRubyを求める声も多いです。スピード感ある開発で、新しいものを生み出していきたい現場では、Ruby on Railsができると重宝されます。
なお、Ruby on Railsの勉強方法は、「【挫折しない】Ruby on Railsを勉強する前に知っておきたい学習方法4STEP」で詳しく解説しています。
Ruby・Ruby on Railsで作られたサービスの例5選
Rubyでできることがわかったところで、実際にRubyおよびRuby on Railsで制作されたサービスを5つ紹介します。
- cookpad
- Airbnb
- Wantedly
- GitHub
- Hulu
1. cookpad
レシピ検索サービスcookpadは、RubyとRuby on Railを使って開発されています。
アカウント情報の登録や、次々とアップロードされるレシピ情報の管理にはRuby on Railsがうまく活用されています。
2. Airbnb
民泊情報をシェアして、宿泊者と貸主をつなぐAirbnbもRubyで開発されています。今では世界各国で80万件以上の宿泊施設を紹介している大型サイトとなりました。
UIも優れており、わかりやすく使えるサービスです。
3. Wantedly
ビジネスに関係する人をつなぐSNS、WantedlyもRubyを使って開発されたサービスです。
Wantedlyはエンジニアによるブログ更新もしていて、勉強になるのでこちらを見てみるのもよいですね!
4. GitHub
世界中のエンジニアがデータやコードを保存・公開できるGitHubもRubyで開発されたサービスです。
8000万件以上のプロジェクトが預けられた大型のプラットフォームであり、今やなくてはならないものとなりました。
5. Hulu
映画やドラマのサブスクリプションサービスHuluも、Ruby on Railsが活用されています。
2008年のリリース当時はバックエンドにRuby on Railsが使われていましたが、現在では他のフレームワークも利用されています。
このように、スタートアップのタイミングではRuby on Railsを活用し、後に置き換えることも可能です。たとえば、Twitterも開発当初はRubyを用いており、サービスが大きくなってからScalaに変更されました。
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