Rubyはオワコン!という声を見て、勉強するか躊躇している方に向けてこの記事を書いています。
大手エンジニア向けメディアサイトDiceから、「おそらく先がない5つのプログラミング言語」にも選ばれてしまったRuby。先がないと言われてしまうと、このまま勉強し続けていいのか不安になるでしょう。
結論から言うと、Rubyはまだまだ学ぶ価値のある言語です。そうは言われても、具体的な現状を知らなければ判断できないという声にお答えし、
- Rubyがオワコンと言われる理由
- 勉強すべきとお伝えする理由
- Rubyができること
を初心者にもわかりやすくお伝えします。Rubyの将来性が不安になってきた方は必見です!
監修者:平井 隆嗣
システム開発に加えてマーケティングまで対応し、集客や売上に貢献するエンジニア。
開発会社にて4年間の勤務をし、リーダーとして活躍したあとフリーランスとして独立。WordPress導入、デザイン、開発、アプリケーション開発などを幅広く手掛ける。
監修者:迫 佑樹
株式会社SkillHacks代表取締役。大学在学中からプログラミングスキルを身につけ、フリーランスエンジニアとして独立。
自身の経験を活かしプログラミングを教え、その知見からオンラインスクール事業Skill Hacksを運営。そのほか、実店舗ビジネスや知識プラットフォームBrainなどさまざまなビジネス経営中。
【結論】Rubyはオワコンではない!まだまだ勉強する価値あり
結論から言うと、Rubyはまだまだオワコンではありません。理由としては、以下の3つが挙げられます。
- コミュニティが活発である
- 安定した求人がある
- Ruby on Railsがまだまだ人気
Rubyの開発者が日本人であることもあり、コミュニティはかなり活発です。さらに、求人の数は未だに安定しているので、すぐにRubyの価値がなくなる心配はありません。
また、RubyのフレームワークであるRuby on Railsがまだまだ人気。フレームワークとは、汎用的な機能が用意された枠組みのことです。Ruby on Railsを使うと必要な機能を簡単に作れてしまうので、開発を効率化できます。
このような理由から、Rubyはまだまだオワコンではないと言えるでしょう。
Rubyがオワコンと言われる4つの理由
なぜRubyはオワコンと言われてしまうのでしょうか?理由としては4つ考えられます。
- 保守が大変だから
- 他のサーバーサイド言語の需要が高いから
- 他言語に代替可能だから
- 処理が遅いから
それぞれ詳細をお伝えするので、ぜひご覧ください!
1. 保守が大変だから
Rubyの特徴として、プログラムの柔軟性が高いことがあげられます。コードの書き方の自由度が高く、記述方法がいくつもあります。
これにより快適に開発ができる反面、保守をするときは大変です。文法が守られていないプログラムでも実行できてしまうケースがあるので、修正箇所の把握に手間がかかります。また、他の人が書いたコードが読みにくく時間がかかる場合も。
開発しやすい反面、長期間使用するシステムを作るときには、保守の負担を考えてRubyをやめる選択肢も出てくるでしょう。
2. 他のサーバーサイド言語の需要が高いから
Rubyはユーザーが直接触ることができないデータベースなどを動かすためのサーバーサイド言語です。サーバーサイド言語を比較したときに、JavaやPHPなどの方が求人は多くあります。
実際に求人件数を比較すると以下のとおり。(2021年3月現在)
Indeed | レバテックフリーランス | |
Ruby | 17,240 | 827 |
Java | 57,664 | 3,283 |
PHP | 41,414 | 2,015 |
このように、JavaやPHPでは3倍近くの求人があるため、Rubyの将来性が不安と言われています。
3. 他言語に代替可能だから
Rubyは汎用性が高い反面、Rubyを使わないとできないことがそれほどありません。そのため、代替が効かない他の言語のほうが重要ではないかという声もあります。
例えばCMS(Webサイトを簡単に作成するためのツール)の場合、最大手のWordPressはシステムにPHPを採用しています。よって、CMSを開発するのであればPHPを学習する方が効果的です。
また、機械学習に強みのある言語なら、多くの人がPythonを上げるでしょう。
一方、Rubyはできることは多いものの、独自の強みが語られにくい言語です。そのため、突出した強みがある言語にフォーカスされてしまい、将来性を疑う声もあります。
4. 処理が遅いから
Rubyは処理速度が遅いと言われています。
実際に処理速度を検証したサイトをみると、PHPに処理速度は負けています。そのため、処理速度がかなり早く、サーバーのメモリ消費が少ないシステム開発には向きません。
ただし、2020年12月25日にRuby3.0.0 がリリースされて状況は変わってきています。Rubyの実行速度が遅いことは開発者も理解しており、今回のバージョンアップではRuby2の3倍の速度を目指して開発が進められたからです。
今後も改善されることが予想されるため、速度に関しては上昇していくでしょう。
初心者がRubyから勉強する5つのメリット
初心者の場合、最初にRubyを勉強するのには多くのメリットがあります。ここでは5つのメリットをそれぞれ紹介していきます。
- 日本語の記事や書籍が多い
- 汎用性が高い
- 文法がわかりやすい
- オブジェクト指向を学べる
- Ruby on Railsを使える
1. 日本語の記事や書籍が多い
Rubyを開発したのは日本人の「まつもとゆきひろ」氏。だからこそ、Rubyに関する日本語の情報が豊富です。
プログラミング学習や現場において、情報を探す場面は多いもの。課題を解決したいときにそもそも情報が少なかったり、英語を読み漁らないといけなかったりすると負担になりますよね。
その点、Rubyならば日本語の情報が数多く揃っているので、初学者にも安心です。
2. 汎用性が高い
Rubyの強みは汎用性の高さにあります。システムやアプリケーション開発に使えるので、ひとつの言語でさまざまな開発ができます。さらにMac ,Windows、Linuxなど動作環境も制限されないところもメリット。
そのため、複数の言語を使って開発をしたくないとき、Rubyは重宝されます。また、複数のエンジニアを雇う余裕がないようなベンチャー企業ではRubyエンジニアの需要が高いです。
3. 文法がわかりやすい
Rubyはシンプルな文法で記述できると言われています。
記述量も少なめで済むので、初心者の学習にもピッタリ。他のプログラミング言語を使うと6行、7行とコードを書かなければいけない処理でも、1行で済むこともあります。
スッキリとまとめることができるので、わかりやすいのが魅力です。
4. オブジェクト指向を学べる
Rubyを勉強すると、オブジェクト指向も身につきます。
オブジェクト指向は「もの」を組み立てるように表現するプログラミングの考え方です。
たとえば、車のデータを作るときにあらかじめメーカーや色などを設定できるようにしておきます。それを車種ごとに定義することで、分業しやすくなったり、修正も容易になったりするのがメリット。
簡単に言うと、複数人での作業がしやすくなり、開発も効率的に行えるようになる考え方です。
オブジェクト指向を前提にしたプログラミング言語は多いので、最初に身に着けておくのがおすすめ。他の言語を勉強するときもスムーズになります。
なお、オブジェクト指向についてさらに詳しく知りたい方は、「PHPにおけるオブジェクト指向とは?理解するメリットや3大要素まで徹底解説」の記事が役立ちます。
5. Ruby on Railsが使える
フレームワークとして優秀なRuby on Railsが使えるのも強みです。
Ruby on Railsはさまざまな機能を備えているので、少ない労力でWebサイトやサービスを制作できます。これにより、開発工程、コスト削減が可能です。
特に素早くサービスをリリースしたいベンチャー企業やスタートアップではRubyを求める声も多いです。スピード感ある開発で、新しいものを生み出していきたい現場では、Ruby on Railsができると重宝されます。
なお、Ruby on Railsの勉強方法は、「【挫折しない】Ruby on Railsを勉強する前に知っておきたい学習方法4STEP」で詳しく解説しています。
Rubyでできること4選
Rubyはこれからでも勉強する価値のある言語とわかったところで、実際にRubyができることを紹介していきます。
- SNS開発
- ショッピングサイト開発
- Webアプリケーション開発
- スクレイピング
Rubyは汎用性が高く、できることが多いのが強み。ぜひ、その幅広さを理解してみてください。
「【サービス事例あり】Rubyができること7選!特徴やメリットをわかりやすく解説」ではRubyができることをより詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください!
1. SNS開発
Ruby on Railsを活用すると、以下のような機能を簡単に制作できます。
- ユーザー登録
- ログイン
- 投稿データの管理用データベースの作成
実際にSNSやマイクロブログサービスでは、Rubyが使われているケースが多いです。他のSNSと連動したログイン機能や、スマホ対応のレスポンシブデザインも簡単に対応できます。
2. ショッピングサイト開発
ログインやユーザー登録に関する機能を簡単に設定できるので、ショッピングサイトの開発も可能です。
なお、Rubyにはショッピング用のパッケージSolidusがあります。これを利用することで、決済機能を簡単に実装できるのがメリットです。もちろん、Rubyを活用して0から決済機能を作ることもできますよ。
3. Webアプリケーション開発
ブラウザ上で利用できるWebアプリケーションの開発は、Rubyの得意分野。おそらくRubyが最も活用されているジャンルです。
インターネットを介したサービスを作るときにRubyを活用することで速く作成できるのが強み。Ruby on Railsにもアプリケーション作成に役立つパッケージは多いので、効率的に制作をすすめられます。
4. スクレイピング
スクレイピングとは、Web上にある情報を自動収集し、加工してアウトプットする技術を指します。
Rubyのライブラリにはスクレイピングに対応したNokogiriがあり、HTMLの情報を簡単に収集可能です。タイトルや画像など必要な部分を引っ張って、好きな形に加工できるので便利ですね。
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