マーケティングは、企業活動に欠かせないものです。さまざまな手法があり、世の中の情勢によりトレンドが変わります。
新しいマーケティングの手法は日々増えていて、どれを取り入れていけばよいのか迷う担当者も多いのではないでしょうか。
そこで、こちらの記事では、
- 代表的なマーケティング手法
- トレンドのマーケティング手法
- 代表的なマーケティングの分析手法
について解説していきます。自社に合うマーケティング手法を選択する参考にしてみてください。
代表的な3種類のマーケティング手法
マーケティングには多くの種類がありますが、まずは代表的な手法を押さえておきましょう。こちらでは3種類解説していきます。
- マスマーケティング
- ダイレクトマーケティング
- ゲリラマーケティング
どのようなマーケティングの手法があるのか確認してみてください。
1.マスマーケティング
マスマーケティングの「マス」は「一般大衆」という意味があります。マスマーケティングは、対象とする顧客を決めず、不特性多数の人に対して行うマーケティングのことを指します。
大量生産、大量販売を前提とする大量プロモーションを行うことが一般的です。マスマーケティングに向いている製品であれば、生産から販売までのコストを押さえることが可能です。
しかし、大量生産、大量販売となると中小企業ではなかなか難しく、大企業に向いている手法といえます。
2.ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングは、企業と顧客が直接やり取りをして販売する手法です。通信販売や通信教育が代表例ですが、IT・通信環境の進化によりどんどん広がってきています。
ダイレクトマーケティングの特徴は、以下の通りです。
- コミュニケーションが双方向的である
- 効果の測定が可能
- どのような場所でも販売が行える
双方向的なコミュニケーションにより顧客の反応を分析し、効果を検証しやすいのがメリットです。
メールやSNSを利用して双方向のコミュニケーションを展開することも、ダイレクトマーケティングのひとつです。
3.ゲリラマーケティング
ゲリラマーケティングは、企業が自社商品やサービスを促進するために、型破りな手法を用いた広告戦略のことをいいます。見る人にインパクトを与えて、一般的な広告とは異なる方法で製品を覚えてもらうことが目的です。
SNSでバズるのを狙うこともゲリラマーケティングのひとつです。低コストで効果的に利益をえるため、スモールビジネスでも導入しやすいでしょう。
ゲリラマーケティングは、ITの進化により活用の場が増えてきています。
トレンドのマーケティング手法8選
マーケティングには多くの手法があります。世の中の流れにより、マーケティングのトレンドが異なります。
こちらでは、2021年にトレンドのマーケティング手法を8つ紹介します。
- デジタルマーケティング
- Webマーケティング
- コンテンツマーケティング
- SNS動画マーケティング
- アカウントベースドマーケティング(ABM)
- オフライン広告
- O2Oマーケティング
- インフルエンサーマーケティング
マーケティングの手法にお悩みの方は参考にしてみてください。
1.デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは、インターネットやIT技術を活用したマーケティング手法です。スマホやタブレットのブラウザ、公式アプリの行動記録などのデータも活用していきます。
デジタルマーケティングは、マーケティング施策の効果を数値として捉えやすくしています。
例えば、
- 「何人の人がサイトを訪問したのか」
- 「どこから離脱したのか」
- 「何人くらいがバナーをクリックしたのか」
これらはデジタルマーケティングの功績によるものです。Webサイトがメインの「コンテンツマーケティング」もデジタルマーケティングのひとつです。
2.Webマーケティング
Webマーケティングは、Web(インターネット)を利用した手法です。アクセス数やWeb上での顧客の動きを分析し、集客アップやサービスの申し込みにつなげます。
Webマーケティングの代表例はSEOです。これは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」のことで、検索エンジンで自社サイトやページが上位表示されることを目指す手法です。
Webマーケティングにはコンテンツマーケティングも含まれます。
3コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングの「コンテンツ」は情報の内容や中身のことを指します。ユーザーに役立つ情報を提供し、自社商品のファンになってもらい購入につなげる手法です。
Webマーケティングの手法の一種で、一般的にはWebサイトやブログを利用しますが、最近ではSNSやメルマガなどを併用する企業も増えてきています。
コンテンツマーケティングは、以前はテキスト中心でしたが現代では写真や動画メインのコンテンツになってきています。
4.SNS動画マーケティング
SNS動画マーケティングは、SNSを使った動画によるマーケティングです。スマホの普及により、SNSを利用したマーケティングが注目されています。
SNS動画マーケティングは、動画とテキストを一緒に投稿できるのが特徴です。テキストが入れられることにより、動画の視聴を促すメッセージを入れたり、動画に対する理解を深めさせたりできます。
拡散力があり、バズれば認知度を一気に高めることが可能です。一方、SNSは炎上しやすいマイナス点もあるので、軽い気持ちで投稿しないように気をつけることが大切です。
例えば広い年代に利用されているTikTokでは、新規フォロワーを獲得しやすいという特徴がありますが若者の利用が多いため、批判コメントもダイレクトに伝わります。
しっかり戦略を練らなければマイナスイメージがついてしまう恐れもあるため注意しましょう。
SNSマーケティングについては以下の記事でより詳しく解説していますのでぜひチェックしてみてください。
【SNS攻略】TikTokを活用したマーケティング5つの特徴と3つの戦略を徹底解説
>>【SNS攻略】TikTokを活用したマーケティング5つの特徴と3つの戦略を徹底解説
5.アカウントベースドマーケティング(ABM)
アカウントベースドマーケテティング(ABM)は、BtoB企業におけるマーケティング手法です。顧客に対して均一に対応するのではなく、自社に有益な顧客を選び、それぞれに合わせた戦略を立てて利益を最大化することを目的とします。
アプローチする企業が絞られるため、無駄なコストを減らして特定の企業に集中できるのがメリットです。ABMは、マーケティング部門と営業部門が協力して成果を上げるのが効果的です。社内での連携がスムーズに行くため、企業戦略がより強化されるでしょう。
手法そのものは昔からありますが、うまく運用できている企業は多くありませんでした。近年、デジタルツールが普及しABMを自動化できる手段が身近になったことにより、実現できるようになってきています。
6.オフライン広告
インターネット上に表示されるオンライン広告に対して、インターネット以外で広告を掲載することをオフライン広告といいます。
BtoBマーケティングの手法では、
- タクシー広告
- テレビ・ラジオCM
- デジタルサイネージ(デジタル看板)
などがあります。デジタルサイネージは、タクシー広告にも利用されています。
これまでのオフライン広告は、不特定多数の人にアプローチするもので、コストが高い上効果測定しづらいのが難点でした。しかし、最近ではターゲットを絞りアプローチできるオフライン広告も増えてきています。
オフラインといっても、オンラインへ誘導することが多く、ユーザーにまずインパクトを与えて自社サービスへ興味をひく入り口のような役割を果たしています。
7.O2Oマーケティング
O2Oは「Online To Offline」の略で、オンラインからオフライン、またはオフラインからオンラインへ誘導するマーケティング手法です。Web上の活動を実店舗の集客につなげたり、オフラインで集客してオンライン購買につなげたりします。
しかし近年、ECサイトの充実により実店舗に集客できても購入せず比較サイトなどを通じて他店に顧客が流れる動きも増えています。
オンラインから実店舗への集客を促す施策に多いのが、Webサイトやアプリでのクーポン配布です。よく見かけるO2Oの例では、
- 位置情報を利用してユーザーが店舗近くのエリア内に入るとクーポンが配布される
- 飲食店で「LINEはじめました」という看板とQRコードが掲載されていて、登録を促す
なども手法のひとつです。リアルとデジタルをつなぐ取り組みとして注目されています。
8.インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、SNSで影響力を持つ「インフルエンサー」に自社製品を紹介してもらい、購買につなげる方法です。
消費者の視点を取り入れた発信ができるため、ユーザーの興味関心や共感を得やすいメリットがあります。
また、ジャンルに特化したインフルエンサーは、フォロワーも同じジャンルに興味関心が高くターゲティングしやすい特徴があります。
インフルエンサーマーケティングに良く利用されるSNSは、以下の通りです。
- YouTube
- TikTok
紹介したい商品のターゲットがよく利用するSNSはどれなのか、を考えて最適なSNSを見つけて利用してみてください。
▼インフルエンサーマーケティング成功のコツこちら▼
【必見】インフルエンサーマーケティングの効果とは?3つのメリットと成功のコツを徹底解説
>>【必見】インフルエンサーマーケティングの効果とは?3つのメリットと成功のコツを徹底解説
代表的なマーケティングの分析手法7選
マーケティングを成功させるためには、マーケティング分析を行うことが必須です。分析にはフォーマットがあり、フォーマットに当てはめて分析を行うのが効果的です。
こちらでは、代表的なマーケティングの分析手法を7つ紹介していきます。
- 3C分析
- PEST分析
- バリューチェーン分析
- 4P分析
- SWOT分析
- STP分析
- 5フォース分析
マーケティングの分析に役立ててみてください。
1.3C分析
3C分析の3Cは、以下のことをあらわしています。
- Customer(顧客):顧客や市場環境について、消費行動や市場の成長性などを分析
- Competitor(競合他社):競合他社の市場シェア、顧客、製品などを分析
- Company(自社):自社の製品、サービス、顧客層、資本力など人と環境面から分析
経営戦略をたてる際は、これら3つの要素を掘り下げていくことが大切です。
2.PEST分析
PEST分析は、以下のことをあらわしています。
- Politics(政治):法律や政治動向
- Economy(経済):金利や為替
- Society(社会・ライフスタイル):流行や人口動態など
- Technology(技術):技術動向
4つのマクロ環境に関する情報を収集し、マーケティング戦略を建てるために活用する分析です。企業経営に関わる情報を網羅して、リスクに備えます。
3.バリューチェーン分析
バリチューン分析は、製品やサービスが顧客の手に渡るまでの過程で、付加価値を付けられているか分析する方法です。
企業活動を「主活動」と「支援活動」に分けて分析していきます。
- 主活動:購買、製造、出荷、販売、マーケティング、サービスなど顧客に製品が届くまでの過程に直接関係する活動のこと
- 支援活動:調達、開発、人事管理、会計、インフラ管理など主活動を支える活動のこと
バリーチューン分析を行うことで、各工程にかかるコストを把握したり、競合と差別化するためのポイントを明確にしたりできます。
4.4P分析
4P分析は、基本的なマーケティング戦略に必要な4つの視点を組み合わせた分析です。
- Product(製品):どのような商品が売れているのか?(機能や品質、デザイン、効果など)
- Price(価格):顧客が求める価格帯はいくらか、利益を出すためにはいくらにすればよいのか?
- Place(流通):製品の流通経路や立地条件、品揃えはどうなっているか?
- Promotion(プロモーション):どのように商品を宣伝するのか?
4つの項目を整理することで、効果的なマーケティング戦略を立てられます。
5.SWOT分析
SWOT分析は、以下の4つの項目で市場を分析してマーケティング戦略を立てていく方法です。
- Strength(強み):活かすべき強みはどこか
- Weakness(弱み):克服するべき弱みはどこか
- Opportunity(機会):市場機会はあるか
- Threat(脅威):回避するべき脅威はなにか
4つを組み合わせると、脅威に対する強みや、機会に対する弱みなど、さまざまな角度からマーケティングを行えます。さらに、弱みを強みに変えて脅威に打ち勝つにはどうすればよいのか、という分析を行うのにも役立ちます。
6.STP分析
新たにビジネスを展開する際に使われる手法がSTP分析です。以下3つの頭文字をとってつけられています。
- セグメンテーション
- ターゲティング
- ポジショニング
セグメンテーションとは、市場の細分化のことです。
ターゲティングとは狙う市場の決定、ポジショニングとは自社の立ち位置の明確化を意味します。
新たにビジネスを展開する際、販売する商品やサービスの立ち位置を明確にすることは重要です。
市場が大きいほど他社との競争も激しくなるため、ポジショニングは自社の勝てる確率を高める上でも必須だといえます。
7.5フォース分析
5フォース分析とは5つの脅威を明らかにして収益構造を明確にしたり、自社の優位性を確認したりする分析方法です。
5つの脅威は以下の通りです。
- 業界内の競合の脅威
- 新規参入者の脅威
- 代替品の脅威
- 買い手(顧客)の交渉力の脅威
- 売り手(サプライヤー)の交渉力の脅威
いずれも自社をとりまく外部からの脅威であり、収益に直結する要素です。
脅威を分析することで、自社の利益を減らす可能性がある原因を知り、対策できます。
▼より詳しいマーケティングの分析方法はこちら▼
【必見】マーケティング分析とは?7つの代表的な手法や4つのポイントを解説
>>【必見】マーケティング分析とは?7つの代表的な手法や4つのポイントを解説
マーケティング戦略を成功させるコツ5選
マーケティング戦略を成功させるコツを5つ紹介します。
- 消費者1人ひとりのニーズを理解する
- データを徹底的に収集する
- すでに成功しているパターンを参考にする
- 適切な媒体を見極める
- 実際にプロからアドバイスをもらう
ぜひ最後までチェックしてみてください。
1.消費者1人ひとりのニーズを理解する
消費者に求められる企業であり続けるためには、消費者1人ひとりのニーズをしっかり把握し、それに答えられるような戦略を整えることが重要です。
顧客リストやデータベースを活用しつつ、顧客の年齢層や男女比、購買履歴などを定期的にチェックしましょう。
顧客の分類ごとに適切なアプローチができると、成功に近づけます。
2.データを徹底的に収集する
消費者の属性に合ったマーケティングを行うためには、自社の顧客がどういった人なのかというデータを徹底的に収集しておく必要があります。
そうすることで顧客の誕生日に贈り物をしたり、割引クーポンを配信したりと継続的に購入してもらえるようなマーケティング施策が行えます。
顧客データとして基本的な項目は以下の通りです。
- 氏名
- 年齢
- 性別
- 家族構成
- 趣味
- 職業
他にも顧客が普段どのような商品をどれくらい購入しているかがわかっているとより成果も出しやすいでしょう。
最近はインターネット上で個人情報を入力し商品などを購入する人が増えているため、顧客情報の入手や管理は比較的簡単です。
店内のポップやチラシなどにQRコードを添付したり、会員登録してもらうことで割引クーポンがもらえるサービスを提供したりと、さまざまな方法があります。
それぞれの業種に合わせた適切な手法を選びましょう。
3.すでに成功しているパターンを参考にする
同じ業種で成功しているパターンがある場合はそれを参考にするのもおすすめです。
例えばSNS動画マーケティングの場合は以下のポイントを押さえている動画だと伸びやすい傾向にあります。
- 派手な配色やエフェクトを使用
- テロップを多く入れている
- 開始5秒の中にインパクトがある
すでに成功しているパターンを参考にすることでより売り上げも上がりやすくなるでしょう。
4.適切な媒体を見極める
それぞれのマーケティングで適切な媒体を見極めることも成功の秘訣です。
なぜなら媒体によってアプローチできる客層も変わるからです。
例えばFacebookは40代の利用者が多いですが、InstagramやTikTokは10〜20代の若者の利用者が中心です。
利用者層を事前に把握し、自社の商品やサービスがどの年齢に刺さるかしっかり分析した上でマーケティングを行うようにしましょう。
5.実際にプロからアドバイスをもらう
実際にマーケティング戦略で成功しているプロに話を聞くのもおすすめです。
プロにアドバイスをもらうことで次に自分が何をすべきかが見えてくるため、より成功まで近づきやすくなるでしょう。
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