「バーチャルオフィスは登記に使える?」
「違法性はない?」
「バーチャルオフィスの住所で登記するメリットが知りたい」
実際のオフィスを構えず、住所のみを借りられるバーチャルオフィス。コストを抑えてビジネス用の住所を用意できるので、個人事業主やフリーランスに人気です。
しかし、バーチャルオフィスの住所で登記できるのか気になる方も多いのではないでしょうか?
法律的に問題がないかどうかも気なるところです。
そこで、こちらの記事では以下の内容について解説していきます。
- バーチャルオフィスで法人登記するメリット・デメリット
- 法人登記する手順
- 法人登記するときの注意点
ぜひこの記事を参考に、バーチャルオフィスの住所で登記してみてください。
【違法性なし】バーチャルオフィスは法人登記に使える
バーチャルオフィスの住所は、法人登記に利用できます。法人登記とは、企業が取引を行うのに必要な情報を法務局に登録して公表できるようにするものです。
そのため、バーチャルオフィスの住所を法人登記に利用することに、違法性はありません。
借りた住所をホームページや名刺に載せることも可能です。ただし、業種によってはバーチャルオフィスの住所が認められないことがあるので注意が必要です。
バーチャルオフィスで法人登記するメリット5選
バーチャルオフィスの住所を法人登記するメリットを5つの項目に分けて紹介します。
- プライバシーを守れる
- 一等地の住所を利用できる
- すぐに住所を用意できる
- コストを抑えられる
- 名刺やホームページに掲載できる
1つずつ見ていきましょう。
1.プライバシーを守れる
バーチャルオフィスの住所を登記すると、プライバシーを守れるメリットがあります。
法人登記の情報は一般公開されるものです。自宅の住所を登録する場合、個人情報が公に知られてしまいます。
自宅宛にDMが届いたり、営業電話がかかってきたりすることもあるでしょう。バーチャルオフィスの住所なら、個人情報をしっかり守れるので安心です。
2.一等地の住所を利用できる
バーチャルオフィスを利用すれば、自宅から遠い一等地の住所も利用可能です。
ビジネスイメージの強い一等地の住所を利用すれば、顧客からの信頼度アップに繋がるでしょう。
口座開設や融資の審査では、担当者が現地を視察することもあります。実際に事務所を構えるとなると、一等地はかなりの費用がかかるものです。
しかし、住所だけならコストを抑えてイメージの良い住所を用意できます。
3.すぐに住所を用意できる
バーチャルオフィスは、すぐに住所を用意できるのがメリットです。実際に事務所を借りる場合、内見や契約など1ヶ月以上の時間がかかるケースがほとんどでしょう。
しかし、バーチャルオフィスは書類提出や審査の時間を含めても1週間程度で住所を借りられます。設立手続きを早めたい方には利用しやすいでしょう。
4.コストを抑えられる
バーチャルオフィスは月額1,000円程度から利用できるので、実態のある事務所を用意するのに比べてかなりコストを抑えられます。
事務所を構えるとなると、毎月数万円の固定費がかかり、初期費用や更新料も発生します。特に、事業をこれから始めようとする方にとって、事務所を借りる費用は利益を圧迫してしまうでしょう。
実務や打ち合わせは自宅やカフェなどで行い、住所のみを借りれば毎月の固定費を抑えられます。
5.名刺やホームページに掲載できる
バーチャルオフィスの住所は、名刺やホームページに掲載できます。
自宅で仕事をしている場合「連絡先を掲載したくない」と考える方も多いでしょう。
しかし、事業を行う上で住所や連絡先の記載がないと「実体がないのでは」と勘ぐられて、ビジネスがうまくいかない可能性が発生します。
バーチャルオフィスの住所なら、躊躇せずにホームページや名刺に掲載できるので、信頼度のアップにもつながります。
バーチャルオフィスで法人登記するデメリット5選
バーチャルオフィスの住所で法人登記するときのデメリットを6つ紹介します。
- バーチャルオフィスの利用に気づかれる可能性がある
- 法人用銀行口座や融資の審査が通らないことがある
- バーチャルオフィスの登記が認められない業種がある
- 他の会社と住所をシェアするため信頼度が下がる可能性がある
- 実際に仕事をするスペースがない
メリットと併せてチェックしてみてください。
1.バーチャルオフィスの利用に気づかれる可能性がある
バーチャルオフィスは、審査に通れば誰でも利用できます。そのため、他の事業主や企業と同じ住所を利用するケースはよくあります。
あなたが借りた住所をインターネットで検索した時、他の企業の名前が出てくればバーチャルオフィスを利用していると気づかれる可能性も。
バーチャルオフィスの利用者は増えてきているので、それほど気にすることはないかもしれませんが、不信感を持つ人がいないとも限りません。
また、バーチャルオフィスと知らずに訪ねてきた取引先の担当者が、現地を見て「住所を借りているだけだ」と気づくケースもあります。
2.法人用銀行口座や融資の審査が通らないことがある
バーチャルオフィスの住所を利用して、法人口座の開設が可能です。しかし、金融機関の審査が通らない可能性があります。
「実体のない住所のため信用性に欠ける」と判断されることがあるためです。同様の理由で、融資の申請が通らないこともあります。
判断は銀行や融資の種類により異なるので、心配ならバーチャルオフィスを借りる前に問い合わせておくと良いでしょう。
3.バーチャルオフィスの登記が認められない業種がある
実体のある事務所が必要で、バーチャルオフィスでは登記できない業種がいくつかあります。具体的に、以下のような業種が該当します。
- 人材派遣業や職業紹介業
- 士業(税理士、弁護士、司法書士)
- 建設業
- 不動産業
- 廃棄物処理業
- 古物商
- 探偵業
以上のような業種は、事業を始めるのに行政や警察署への届け出が必要です。届け出する際に「面談用のスペースが必要」などの条件が定められています。
例に挙げたような業種の方は、バーチャルオフィスの登記は難しいでしょう。
4.他の会社と住所をシェアするため信頼度が下がる可能性がある
バーチャルオフィスの住所は、他の企業や事業主とシェアします。そのため、あなたの住所を検索すると、他の企業の名前が出てくることになるでしょう。
クライアントが検索したときに他の会社が出てくると、信頼度が下がる可能性があります。
さらに、あなたと同じ住所を利用する企業が犯罪行為などを行った場合、悪いイメージが付いてしまうでしょう。
バーチャルオフィスを利用していることを、事前に伝えておいたほうが良いこともあります。
クライアントとの関係性を考えて、伝えるかどうか判断することが大切です
5.実際に仕事をするスペースがない
バーチャルオフィスは、事務所を借りるわけではないため、仕事をするスペースは自分で用意する必要があります。
自宅でできる仕事であっても、打ち合わせをする場所は必要であるケースもあるでしょう。
毎回カフェや貸し会議室などで打ち合わせを行うと、毎月のコストが上がる可能性も。
バーチャルオフィスの中には、会議室を貸し出ししてくれるところもあるので、必要に応じて利用してみてくさい。
バーチャルオフィスで登記する手順5ステップ
バーチャルオフィスの住所を利用して登記する大まかな手順を確認しておきましょう。
- バーチャルオフィスを契約する
- 「定款」を作成し公証役場で認証してもらう
- 登記に必要な書類を用意する
- 法務局へ書類を提出する
- バーチャルオフィスに登記謄本を提出する
以上5つのステップで解説していきます。
1.バーチャルオフィスを契約する
まずは登記するために、バーチャルオフィスを契約しましょう。「バーチャルオフィスを法人で契約するのだから、登記が先では?」と考える方もいるでしょう。
しかし、個人でバーチャルオフィスを契約後、登記してから法人契約に切り替えるという手順が一般的です。
2.「定款」を作成し公証役場で認証してもらう
「定款」とは、会社を設立するときに、企業の根本原則を記載する「会社の憲法」のようなものです。
自分で作成することも可能ですが、司法書士や行政書士に依頼したほうが確実です。
定款が作成できたら公証役場へ持ち込み、認証してもらいます。なお、合同会社の場合は定款の認証は不要です。
3.登記に必要な書類を用意する
登記に必要な書類は、以下の通りです。
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 定款
- 発起人の決定書
- 設立時取締役の就任承諾書
- 設立時代表取締役の就任承諾書
- 設立時取締役の印鑑証明書
- 資本金の払込みがあったことを証する書面
- 印鑑届出書
- 「登記すべき事項」を記載した書面又は保存したCD-R
引用元:クラウド会計ソフト freee
登記に必要な書類や手続きは、法人種別により異なります。「商業・法人登記申請手続(法務局)」で確認してみてください。
4.法務局へ書類を提出する
書類が用意できたら、法務局へ提出します。提出する場所は本店の所在地を管轄する法務局です。
法務局に書類を提出した日が、会社の設立日となります。
5.バーチャルオフィスに登記謄本を提出する
法人登記が完了したら、バーチャルオフィスの契約を個人から法人に切り替えます。登記謄本を提出することになるので、用意しましょう。
法人登録した社名をきちんと伝えないと、郵便物の転送や電話の取り次ぎができなくなります。忘れずに行いましょう。
バーチャルオフィスで法人登記するときの3つの注意点
バーチャルオフィスの住所を法人登記するときの注意点を3つ紹介します。
- 法律を遵守しているかしっかりチェックする
- 事業に必要な設備が整ったバーチャルオフィスを選ぶ
- 倒産リスクがないか確認する
ぜひチェックしてみてください。
1.法律を遵守しているかしっかりチェックする
バーチャルオフィスで法人登記する場合、運営会社がきちんと法律を遵守しているか確認しておきましょう。
バーチャルオフィス側には、本人確認をしっかりチェックするなど、犯罪の抑制を徹底する義務があります。
しかし、審査が甘いバーチャルオフィスを選んでしまうと、犯罪に利用されるリスクが高まります。自身のビジネスに悪い影響を及ぼすため、運営会社の体制をきちんと見極めることが大切です。
2.事業に必要な設備が整ったバーチャルオフィスを選ぶ
バーチャルオフィスを選ぶ時は、事業を行うのに必要な設備が整っているか考慮することが大切です。
基本的には住所のみのレンタルですが、ニーズに併せて会議スペースを設けたり、ワーキングスペースを提供したりするバーチャルオフィスも増えてきています。
「自宅以外で仕事をする場所が欲しい」「クライアントと打ち合わせできる会議室が必要」などの希望がある場合、設備が整っているかは重要でしょう。
一等地であることや料金がリーズナブルなことばかりでなく、利用のしやすさを考えて選ぶことが必要です。
3.倒産リスクがないか確認する
バーチャルオフィスを契約する前に、倒産リスクが低いかどうかチェックすることが大切です。
バーチャルオフィスは、運営会社が突然倒産することがあります。倒産すると、登記住所の変更や名刺の作り直しなど、多くの手間やコストがかかってしまいます。
安定した経営を行っているかどうかは「他店舗展開があること」や「運営歴が長いこと」などである程度見極められるでしょう。
自身のビジネスにマイナスの影響がないかどうかしっかりチェックして、最適なバーチャルオフィスを選んでみてください。
【月額2,980円~】新宿の住所を利用できるバーチャルオフィス
バーチャルオフィス in 新宿では、新宿区の住所を業界最安級の値段で利用できます。
年間払いの場合、事務手数料11,000円+月額費用2,980円での利用が可能です。
(※別途保証金15,000円)
- 住所利用OK
- 法人登記OK
- 週2回の郵便転送つき
など、サポートも充実。
「これから起業するうえでコストを抑えたい方」や「東京の住所を構えて事業がしたい方」などは、ぜひ利用を検討してみてください。