「Webエンジニアもキャリアについて考えるべき?」
「どんなキャリアパスがある?」
Webエンジニアになったはいいものの、どのようなキャリアパスを切り開けば良いのかわからない方もいることでしょう。
将来のためにも、早い段階からキャリアについて考えておいて損はありません。
そこでこの記事では今後に悩むWebエンジニアのために、以下の内容を解説していきます。
- キャリアについて考えるべき理由
- Webエンジニアの平均年収
- Webエンジニアのキャリアパス
- キャリアの選択肢を広める方法
たくさんの選択肢を知って、キャリアの参考にしましょう!
監修者:平井 隆嗣
システム開発に加えてマーケティングまで対応し、集客や売上に貢献するエンジニア。
開発会社にて4年間の勤務をし、リーダーとして活躍したあとフリーランスとして独立。WordPress導入、デザイン、開発、アプリケーション開発などを幅広く手掛ける。
監修者:迫 佑樹
株式会社SkillHacks代表取締役。大学在学中からプログラミングスキルを身につけ、フリーランスエンジニアとして独立。
自身の経験を活かしプログラミングを教え、その知見からオンラインスクール事業Skill Hacksを運営。そのほか、実店舗ビジネスや知識プラットフォームBrainなどさまざまなビジネス経営中。
Webエンジニアが次のキャリアについて考えるべき3つの理由
具体的なキャリアパスを解説する前に、なぜキャリアについて考える必要があるのかお伝えします。
主な理由は次の3つです。
- 自分自身のステップアップのため
- 年収を上げるため
- 転職を有利にするため
目的意識を持った方が、キャリアアップは成功しやすいはずです。
それぞれ簡単に確認しましょう。
【次のキャリアを考える理由1】自分自身のステップアップのため
キャリアについて考えることは、自分自身のステップアップに役立ちます。
次のキャリアを見出して働く目標が明確になれば、達成のために努力するからです。
例えばキャリアについて悩んでマネージャー職に就きたいという目標ができれば、開発技術だけでなく人の動かし方なども身につけようと行動するでしょう。
きっと新たな成長のチャンスになりますよ。
【次のキャリアを考える理由2】年収を上げるため
キャリアアップすると、年収が上がる可能性が高いです。
管理職になれば大きく年収が変わるからです。
例えば情報システム関連職の役職ごとの平均年収は以下の通りです。
- 一般職:416.3万円
- 係長クラス:624.5万円
- 係長:812.7万円
- 部長1,065万円
キャリアアップするほどに、大きく稼ぎが増えますね。
逆にずっと同じ立場に止まって自然昇給を狙っても、収入が上がり幅は小さいまま。
今の年収に満足がいかない方は、ステップアップするための行動が必要になるでしょう。
【次のキャリアを考える理由3】転職を有利にするため
キャリアを考えると転職に有利に働きます。
エンジニアとして転職する場合でも、会社や仕事により求められるスキルは変わるもの。現職の経験に加えて、需要の高いスキルを身につけることができれば、年収アップする転職も実現可能です。
専門的な技術に加え、キャリアを進めてマネジメントスキルや経営的目線を身につけておけば、どのような転職先でもきっと重宝される人材になれますよ。
転職がうまくいけば働く環境がよくなったり、年収が上がったりする可能性があります。
早いうちからキャリアについて考え、いざというときに転職がスムーズに進むよう準備しましょう。
Webエンジニアの平均年収
次にエンジニアの平均年収を説明します。
エンジニアといっても、職種は様々。
ここで紹介するのは、ソフト系エンジニアの30代前半の平均年収です。
職種 | 平均年収 |
システム開発(Web・オープン系) | 532万円 |
システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系) | 614万円 |
システム開発(汎用機系) | 525万円 |
パッケージソフト・ミドルウェア開発 | 497万円 |
ネットワーク設計 | 647万円 |
通信インフラ設計 | 640万円 |
テクニカルサポート、保守分野 | 495万円 |
社内SE(MIS) | 526万円 |
(参考:Tech総研)
結果を比べると、特別低い年収ではないことがわかります。とはいえ、多くのエンジニアが残業代で年収を底上げしているのが現状です。
しかしキャリアパスを切り開くことで、さらに給料を上げられる可能性があります。
Webエンジニアのキャリアパス5選
エンジニアの一般職から抜け出すと、どのようなキャリアパスが待っているのか紹介します。
ざっくり分けると、次の5つの選択肢があります。
- マネジメントの立場
- 技術職のスペシャリスト
- コンサルタント
- フルスタックエンジニア
- フリーランス
年収も一緒に解説しますので、今後の道を決める参考にしてください!
(年収参考: 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」)
【Webエンジニアのキャリアパス1】マネジメントの立場
まずは、マネジメント職です。
- プロジェクトマネージャー
- プロジェクトリーダー
- VPoE
- Webディレクター
などがあります。
メンバーを統括して、案件の成功のために動く立場です。つまり開発分野のリーダーや管理職にあたります。
マネージャーの主な仕事はQCDの管理です。
- Quality:品質
- Cost:コスト
- Delivery:納期
さらに、プロジェクトを円滑に進めるため、様々な角度から仕事をサポートします。
1.プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー
プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーは、Webエンジニアに指示を出す側の立場です。
平均年収は891.5万円と、一般職よりも高くなります。
多くの場合は、課長や係長レベルの管理職が担当しています。
プロジェクトを成功に導くためのリーダースキルや、スケジュール管理能力があると、スムーズに仕事が進むでしょう。
2.VPoE
VPoEは、Vice President of Engineeringを略した言葉で、エンジニアの管理やサポートを主に行う立場です。
官公庁の統計ではVPoEという名称は使われていませんが、立場の近い人たちの年収は以下の通りです。
- 部下を指導できるチームリーダーレベル:726.1万円
- 社内での指導者・幹部レベル:937.8万円
テレワークやフリーランスなどの登場により多様化する働き方に対応するため、VPoEが普及してきました。
例えば、以下のような仕事をこなします。
- 人員採用
- 人事評価
- チームづくり
- 研修・教育
日本では株式会社メルカリや株式会社ラクスルなどでVPoEを採用しています。
3.Webディレクター
Webディレクターは、サイト開発のために制作に関わる人材を取りまとめる立場のことです。
エンジニア以外にも、リーダーとしてデザイナーやライターなどの様々な人を束ねます。
平均年収は792.9万円です。
Webディレクターは以下のような仕事がメインです。
- クライアントとの打ち合わせ
- 必要人材の確保
- 仕事の割り当て
- スケジュール管理
- 完成したサイトの品質管理
エンジニアとしての知識だけでなく、Webに関わる幅広い知識を持っておくといいでしょう。
【Webエンジニアのキャリアパス2】技術職のスペシャリスト
管理職やマネージャー職に進まず、現場の最前線でコードを書き続ける道もあります。
実際、エンジニアとして腕を磨き続ける40代・50代も珍しくありません。豊富な経験を生かし、後輩育成やマネージャー職のサポートを行いましょう。
技術に応じて取得できる資格や肩書きは以下の通りです。
- ITスペシャリスト
- ITアーキテクト
- テックリード
1.ITスペシャリスト
ITスペシャリストは、エンジニアに必要な6つの専門分野において優れたスキルを持つ人のことです。
- システム管理
- セキュリティ
- データベース
- アプリケーション共通基盤
- ネットワーク
- プラットフォーム
具体的には、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が定めるスキルで7レベル中3レベル以上を満たすことが、ITスペシャリストの目安とされています。
平均年収は758.2万円です。
深い知識や指導力がないとできない仕事内容なので、現場から重宝されるでしょう。
- 情報処理安全確保支援士試験
- データベーススペシャリスト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
などの関連資格を取得すれば、ITスペシャリストとしての能力証明にも役立ちます。
2. ITアーキテクト
ITアーキテクトは、経営的視点とシステム開発という2つの考え方で企業を支える立場のことです。
ビジネス面での戦略や課題をヒアリングし、システム開発で解決方法を示す役割をになっています。
平均年収は778.2万円です。
ITアーキテクトへのキャリアパスで役立つスキルは以下の通りです。
- ヒアリング能力
- 課題の抽出・分析能力
- マネジメント・リーダーシップ
- 設計・開発スキル
能力を客観的に証明する方法として、システムアーキテクト試験を取得する方法があります。
事前対策は必要ですが、資格があれば人事評価が上がることでしょう。
3.テックリード
テックリードは、プロジェクト内のリーダー的立ち位置の人です。
官公庁の統計にはテックリードの項目はありませんが、部下を指導できるチームリーダーレベルの年収は726.1万円とされています。
プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーは仕事全体の管理をするのに対し、テックリードは技術面に特化したリーダーを指します。
また、エンジニアにとっての窓口の役割も担います。
関係部署や他チームとの連携をとり、プロジェクトを円滑に進めるのです。
スキルを磨き、コミュニケーションを取りながらエンジニアたちをリードしましょう。
【Webエンジニアのキャリアパス3】コンサルタント
コンサルタントはWebに関する相談に乗り、適切な解決方法や戦略を提案する職業のことです。
Web分野でのコンサルタントは、盛り上がりを見せています。
SNSやオウンドメディアなどインターネットに関係したマーケティングの需要が高まり、様々な企業が専門的なコンサルティングを求めているからです。
需要に合わせ、平均年収も928.5万円と高い水準になっています。
エンジニアとして学んできたことに加え、マーケティングや経営戦略も身につければ、よりクライアントからの期待に答えられますよ。
【Webエンジニアのキャリアパス4】フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、Web開発に関わる仕事の全てのステップを1人でこなせるような、万能なエンジニアのことです。
ここまで紹介した全ての仕事を網羅できる、マルチな知識と経験が必要です。
求められるスキルの高さゆえに、希少性が高い人材となっています。そのため、一般職と比べて年収も大きく上がるでしょう。
実際に求人サイトでは年収1,000万円以上での募集が目立ちます。(参考:エン求人サーチ)
特にスタートアップ企業やベンチャー企業から重宝され、インターネット分野の発達とともにニーズは上がっていくことでしょう。
【Webエンジニアのキャリアパス5】フリーランス
Webエンジニアのキャリアパスとして、フリーランスになる道もあります。
ここまで紹介してきた様々な立場を、組織に雇われずに独立してこなすのです。
中小企業庁による年収調査では、IT関連のフリーランスの2割以上が年間800万円以上稼いでいることが明らかになりました。
(参考:小規模企業白書(2016年版))
サラリーマンや他の業種のフリーランスと比較しても、高水準であるとわかります。専門的なスキルに加え、固定給にとらわれず頑張りに応じて稼げるからです。
上限なく稼ぎたい人、やがては会社を立ち上げたい人などはフリーランスになるのもよいでしょう。
Webエンジニアがキャリアの選択肢を広める方法
Webエンジニアにとって、キャリアパスが多いに越したことはありません。
たくさんの候補の中から次の道を決めた方が、成功の可能性が上がるからです。
ここでは、キャリアの選択肢を広める方法を3つお伝えします。
- 方向性を決める
- エンジニアロードマップを確認する
- スキルアップする
それぞれ方法を知り、早いうちから準備しておきましょう。
【キャリアの選択肢を広める方法1】方向性を決める
まずはエンジニアとしての方向性をはっきりさせて、キャリアプランを練りましょう。
方向性がわかると、無駄なく思い描いたゴールを目指せるからです。
エンジニアには、将来を左右する様々な分かれ道があります。
- フロントエンドエンジニアかバックエンドエンジニア
- 現場で活躍し続けるか、管理職になるか
- 今の会社で昇進を目指すか、転職して立場を変えるか
- 独立の意思はあるのか
どのようなキャリアパスを切り開くのかによって、収入や人生設計は大きく変わります。
周りの声も聞きながら、慌てずにじっくり考えましょう。
【キャリアの選択肢を広める方法2】エンジニアロードマップを確認する
次にエンジニアロードマップを確認します。
エンジニアロードマップ(Web Developer Roadmap)とは、1年おきに更新されるエンジニアの勉強の方針ガイドのようなもの。
Kamran Ahmed氏のGitHubで公開されています。
今の自分にできることや不足しているスキルを洗い出し、実力を確かめましょう。
ロードマップに沿って勉強を進めれば、必要な知識を網羅できるでしょう。
【キャリアの選択肢を広める方法3】スキルアップする
ロードマップを見て勉強の必要な分野を分析したら、それを元にスキルアップしましょう。
Webエンジニアにおすすめなスキルアップ方法は次の3つです。
- 独学
- スクール
- オンライン講座
1.独学
最も手軽にスキルアップできるのは、独学することです。
YouTubeや参考書を元に、コツコツ進めましょう!
ただし、1人で勉強するとやる気がなかなか出なかったり、質問できる相手がいなかったりするデメリットもあります。
2.スクール
スクールに通うと、あらかじめ用意されたカリキュラムに沿って効率よく勉強できます。
専門学校の既卒者向けクラスや、社会人用の習い事を活用しましょう。
しかし通学の必要や、まとまった費用もいるので注意が必要。
クラスメイトと刺激しあいながらモチベーションを保ちたい方におすすめです。
3.オンライン講座
オンライン講座は、動画教材などを使って自分のペースで勉強する方法です。
スクールのように足を運ぶことがなく、安く利用できるのがメリット。質問し放題の講座を利用すれば非対面式の弱点を補えますよ。
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