「SQLの勉強は簡単?」
「何から始めればいい?」
「挫折せずに勉強するコツは?」
など、疑問に思っていませんか?
データベースエンジニアを目指したり、それ以外のエンジニアでもデータベースについて理解を深めようと思ったりすると必要になるのが、SQLです。
SQLは他の言語と比べるとややマイナーなこともあり、難しいイメージを持たれがちです。しかし、順を追って勉強を進めれば確実に知識は身に付きます。
この記事では、これからSQLの勉強を始める方に向けて以下の内容を解説していきます!
- SQLの概要
- SQLを学ぶ意味
- 勉強の方法
- 勉強の順番
- 初心者が勉強するコツ
この記事を読んでおけば、SQLの初歩的な内容の予習にもなります。ぜひ参考にしてみてください。
監修者:平井 隆嗣
システム開発に加えてマーケティングまで対応し、集客や売上に貢献するエンジニア。
開発会社にて4年間の勤務をし、リーダーとして活躍したあとフリーランスとして独立。WordPress導入、デザイン、開発、アプリケーション開発などを幅広く手掛ける。
監修者:迫 佑樹
株式会社SkillHacks代表取締役。大学在学中からプログラミングスキルを身につけ、フリーランスエンジニアとして独立。
自身の経験を活かしプログラミングを教え、その知見からオンラインスクール事業Skill Hacksを運営。そのほか、実店舗ビジネスや知識プラットフォームBrainなどさまざまなビジネス経営中。
SQLを30秒でサクッと解説
SQLは、データベースに蓄積されている情報の検索や書き換えを行うためのデータベース言語です。
そもそもデータベースとは、集めた情報を保存・蓄積し使いやすく整理したデータ群のこと。このデータベースとやり取りをするときに使うのがSQLです。
SQLでは、データベースを管理するシステム(DBMS)に対して、以下のような命令を出せます。
- データを検索・取得
- データの更新
- データを追加・削除
- テーブルの作成
ユーザーやシステムからの命令を受けたときに、データベースとの橋渡しをするのがSQLの主な役割です。
なお、データベースの主流はExcelのような複数の表(テーブル)で管理する、「リレーショナル・データベース」です。SQLでは一つ一つのデータを追加・削除するほか、テーブル自体を作成・削除することもできます。
各社のDBMSで多少違いはあるものの、SQLの基本は共通しているので安心して勉強してくださいね。
SQLはシステムエンジニアの必須スキル
SQLは、システムエンジニアにとって必須のスキルなので、勉強し習得する必要があります。
エンジニアとして活用するほとんどのシステムでデータベース操作が必要ですが、これはSQLスキルがないと扱えません。
2021年7月現在最も普及している「リレーショナルデータベース」の共通言語であり、ほとんどの企業が使っています。
つまりSQLを扱えないと、システムエンジニアとしてこなせる業務が限られてしまうのです。
将来的に主流でなくなる可能性もありますが、今後数年はSQLを使うデータベースが主流と考えられています。
そのためシステムエンジニアを目指すのであれば、必ず習得する必要があります。
SQLを勉強する方法
SQLを学ぶ方法はいくつかあります。
ここでは、それぞれの勉強方法の違いを解説します。
- まずは体験してみる
- 本で学ぶ
- 学習サイトを使う
- スクールに通う
- オンライン講座を使う
- 資格取得を狙う
自分に合った勉強方法を選んでみましょう!
【SQLを勉強する方法1】まずは体験してみる
Webサービスを使ってSQLをまずは体験してみましょう。
SQLでできることやデータベースのイメージを掴み、難しいイメージを取り除くためです。
例えば、dokoQLというオンライン上で動く擬似的な開発環境を使ってみましょう。
- SELECT * FROM 家計簿(家計簿を全て抽出して表示する)
- SELECT 日付,出金額,費目 FROM 家計簿 (家計簿の中から3つの項目のみ抽出して表示する)
など、簡単な文で手を動かしてみてくださいね。
インターネットで手に入る例文をみれば文法がある程度理解できる中級者の方は、このようなクラウドサービスでどんどん独学しましょう。
【SQLを勉強する方法2】本で学ぶ
自分に合ったレベルの本で勉強する方法です。
本によっては付属のCD-ROMや指定されたURLからダウンロードできる、開発環境を用意してくれています。
解説をよく読み、例文を実際に入力しながら座学と実践を繰り返しましょう。
本は残しておけば、勉強が終わった後でも文法の辞書代わりに使えます。ただし、解説がわかりにくかったり情報が古かったりすると勉強が上手く進みません。
解説のレベル感や出版年を調べてから、勉強に使うべきか決めましょう。
例えば、次の本は解説が初心者向けでわかりやすい内容です。
本での勉強では、分からないことがあると自分で調べたり考えたりする必要があります。
完全な独学に自信がない人は、他の勉強方法も合わせて活用しましょう。
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【SQLを勉強する方法3】学習サイトを使う
学習サイトはブラウザ上の擬似的なSQL環境を使い、実際に手を動かしながら勉強する方法です。
自分で環境構築する必要がないので、サクッと勉強が始められます。
本よりも身構えることなく、完全無料から勉強できるのもメリットです。
どのサイトも、解説を見た上で実際に演習問題を解いて勉強を進めます。
インプットとアウトプットを1つの勉強方法にまとめられるので、無駄なく理解できるでしょう。
【SQLを勉強する方法4】スクールに通う
社会人向けのスクールに通って、クラスルーム形式で勉強を進める方法です。
自分でペース配分や勉強の順番を考える必要がなく、カリキュラムについていけば一通りの知識を身につけられるのがメリット。とはいえ、授業を熱心に聞いたり課題をこなしたりする必要はもちろんあります。
SQLが学べる代表的なスクールは次の通りです。
スクールなら、分からないことをその場で講師に質問できるのがメリットです。
逆にデメリットは、通学の手間やまとまった授業料がかかること。
1人で勉強するのに不安がある方や、疑問を確実に解決したい方にはスクールの利用がおすすめです。
【SQLを勉強する方法5】オンライン講座を使う
オンライン講座は、動画形式の授業を視聴して自分のペースで勉強する方法です。
インターネット環境が整っていれば、家やカフェなど好きなところで勉強ができます。動画なら、作業画面や表示の移り変わりを参考にし、分かりやすく理解できるでしょう。
スクールよりも安い費用で、通学しなくていいのもオンライン講座のメリットです。
ただし、講座によっては講師への質問ができなかったり、回数に制限があったりするでの注意が必要です。
質問回答などのアフターフォローが充実した講座を選び、疑問を解決できる環境を整えましょう。
【SQLを勉強する方法6】資格取得を狙う
SQLに関連する視覚取得を狙うのも有効な手段です。
具体的には、以下の資格がおすすめです。
試験名 | 概要 |
オラクルマスター | ・日本オラクル社が運営している「Oracle Database」シリーズの技術力試験
・「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4つのランクがある ・ランクが上がるごとに難易度が高くなる |
オープンソースデータベース技術者認定試験 |
・LPI-Japanが実施する日本独自の認定試験 ・オープンソースデータベースの知識・技術に関する試験 ・難易度が低めで、プログラミング未経験でも取得を狙える |
IPAデータスペシャリスト試験 | ・IPA(情報処理推進機構)が運営する国家試験
・データベースに関する高難度な知識や実践能力を試される ・最高難度のレベル4に該当する試験で、合格が難しい |
試験のための勉強を通して、SQLの知識を身につけていけます。
また、関連資格を取得しておけば、知識やスキルの証明になり就職でも有利です。
高度な資格は優遇されるので、就職を目指すのであれば取得しておくといいでしょう。
SQLを学ぶメリット
SQLを学ぶことには、以下のメリットがあります。
- 国際規格でIT業界共通の言語
- データベースエンジニアが台頭している
メリットを理解しておけば勉強する目的がはっきりし、より知識を頭に入れやすくなるでしょう。
それぞれ順番に見ていきましょう。
【メリット1】国際規格でIT業界共通の言語
SQLは、ISO(国際標準化機構)によって標準化された共通の言語です。
言語やデータベースは基本的な構造が同じで、SQLの知識がベースになっていることも多いです。
そのためSQLは汎用性が高く、幅広い分野で活用できます。
また、どの企業でもデータ分析・加工を行なうようになっており、データベースの重要性が上がってきています。
エンジニアとして幅広く活躍できるようになるので、SQLを学ぶメリットは大きいといえるでしょう。
【メリット2】データベースエンジニアが台頭している
2021年7月現在「データベースエンジニア」が台頭しているのも、SQLを学ぶメリットです。
データベースエンジニアとは、データベースの設計・管理などを専門とするエンジニアのことをいいます。
求人はまだ少ないですがいずれも専門性が求められ、大規模システムの運用には必須の人材です。
実績とスキルがあればキャリアアップも狙いやすいので、SQLを学ぶのは非常に有効です。
SQLを学ぶ際の2つのポイント
SQLの学習は、以下2つがポイントです。
- 座学と実践を繰り返す
- エラーを前向きに捉える
これらを意識することで学習効率が高まり、SQLを早く習得できます。
順番に見ていきましょう。
【SQLを学ぶ際のポイント1】座学と実践を繰り返す
SQLは、座学と実践を繰り返して行いましょう!
いくら知識が身についても、それを使えなければ意味がありません。
しっかり活用できるよう、実際に書いてみて動作や感覚をつかんでいくことが大切です。
知識だけだと、コマンドを忘れる・間違った入力をしてしまうなどでつまづくかもしれません。
これは実践することで分かることですし、疑問や改善点が見えればさらに学習効率が高まります。
ベストセラー本の「アウトプット大全」でも、アウトプット7:インプット3が最も効率的なバランスだと解説されています。
SQLの学習においても、このバランスを意識しましょう!
【SQLを学ぶ際のポイント2】エラーを前向きに捉える
SQLを実践する上でエラーが出ることも多いですが、前向きに捉えて落ち込まないようにしましょう!
エラーは誰もがぶつかる問題ですし「どうしてエラーが出たのか?」を学習材料にしていけば、注意点やポイントが見えてきます。
また、エラーにぶつかるのはスキルアップに向けて挑戦している証。失敗を避けて挑戦していなければ、エラーで苦労することもありませんよね。
もし原因がわからないなら、ネットで調べてみましょう。分からないことをそのままにしてはいけません。
ただ、実際の業務でエラーを繰り返すのはNG。
本番前には、試験環境で勉強するといった準備をしておくといいでしょう。
SQLを勉強する順番
ここからはSQLを勉強する順番について、解説します。
紹介するのは、あくまで初歩的な内容です。
- DMLについて知る
- WHERE句を学ぶ
- 検索結果の加工をする
- 実践で高度な知識を習得
簡単な家計簿を操作するのを想定して説明しています。
学習のイメージやSQLでできることをつかんでおきましょう。
【SQLを勉強する順番1】DMLについて知る
DMLとは、SQLの基本となる4大命令のことです。
- SELECT(データ検索)
- UPDATE(データの更新)
- DELETE(データの削除)
- INSERT(データの追加)
SQLの処理のほとんどはこの4つの命令で動いています。
例えば、次のような使い方です。先ほどSQLの体験サイトとして紹介したdokoQLに入力し、結果を見てみましょう。
- SELECT 日付,出金額,費目 FROM 家計簿 (家計簿の中から3つの項目のみ抽出して表示する)
- UPDATE 家計簿 SET 入金額=500(家計簿の入金額を全て500円に更新する)
命令の数自体は少なく使い方もシンプルですが、修飾を付け加えることで複雑な命令を可能にします。
【SQLを勉強する順番2】WHERE句を学ぶ
DMLへの修飾としてもっとも使われるのが、WHERE句です。
WERE句では、操作する対象行の指定を行います。WHERE句を使わずに書いた文は、自動的に全ての行が操作対象になってしまうからです。
例えば「DELETE FROM 家計簿 WHERE 出金額 = 0」という命令なら、家計簿の中から出金額が0円の行を削除することができます。
WHERE句を学ぶと、この後も必要になる条件式の基本や演算子が知れるので、最初の段階で確実に理解しましょう。
【SQLを勉強する順番3】検索結果の加工をする
検索結果の加工とは、検索したデータを並び替えたり重複した内容を削除したりすることです。
SELECT文専用の修飾を使うことになります。
例えば、次のような修飾で加工の幅を広げましょう。
- ORDER BY(順序の並べ替え)
- DISTINCT(重複行を除外)
- UNION(検索結果に他の検索結果を足す)
あわせて集合演算を覚えることで、検索の自由度を高めましょう。
【SQLを勉強する順番4】実践で高度な知識を習得
ある程度知識を身につけたら、実践で高度な知識を習得しましょう!
知っているのと扱えるのは違うので、実技を繰り返さないと本当の意味で知識は身につきません。
分かったつもりになっているのが1番危険なので、理解を深めるためにも実践は重要です。
実践することで自分が理解しきれていないことや、苦手としていることが見えてきます。
それを再度学習していけば、自分の課題が少しずつなくなっていきます。
そうなるためにも、SQLを使ってさまざまな操作を試してみましょう。
また、プログラミングの中で使ってみるのも有効。応用することで、高度な知識・技術を得られます。
初心者がSQLを勉強するコツ
初心者は、SQLやデータベースと聞くと「複雑そう」「専門的な感じがする」と勉強にマイナスイメージを抱きがちです。
しかし、コツを抑えておけばSQLは苦しむことなく習得できます。
- 独学しない
- 手を動かす
- 質問できる環境を作る
- 目標を決める
- 視覚的に覚える
勉強を始める前から準備できることもありますので、確認してくださいね。
【SQLを勉強するコツ1】独学しない
SQLを勉強する場合、独学を避けた方が挫折を防げます。
なぜなら独学だと、わからないことがあっても解決できないまま進む方が多くいるからです。繰り返しになりますが、SQLは4つの基本命令を応用することで実現できることが増えていきます。
そのため初歩的な部分を十分に理解しないままに先へ進めば、後になって確実に困るでしょう。最悪の場合、どこが分からないのかもわからない事態に陥ります。
多少お金がかかっても、スクールやオンライン講座を使って完全な独学は避けたほうが、挫折する確率は低いです。
【SQLを勉強するコツ2】手を動かす
SQLは、手を動かしながら勉強した方が確実に実力が付きます。
なぜなら、本を読み進めたり授業を耳から聞いたりするだけでは、応用ができないからです。インプットももちろん大切ですが、手を動かしてバランスよくアウトプットする必要があります。
インプットだけでは分からなかったエラー原因や思考力が身に付きますよ。
例文を写すだけでなく、自分なりに条件を変えてみるなどして繰り返しデータベースを編集してみましょう。
【SQLを勉強するコツ3】質問できる環境を作る
SQLで分からなかったことがあった時のために、質問できる環境を整えておきましょう。
すぐに質問ができるようにしておくことで、疑問を分からないままにするのを防ぐためです。インターネット上にある既出の情報だけでは、自分の状況にピッタリあった回答がなかなか見つりません。
身近に頼れる相手がいなければ、次のような対策をしておくのがおすすめです。
- 質問サイトに登録する
- コミュニティやオンラインサロンに参加する
- SNSで知り合いを作る
質問サイトを活用する場合は全ジャンル向けのサイトではなく、ITに特化したサービスを選びましょう。
回答者側もプログラミングやデータベースに関する知識を持っているので、他のサイトよりも確実に答えを得られます。
【SQLを勉強するコツ4】目標を決める
具体的な目標を決めた上で勉強に取り組みましょう。
モチベーションを維持したり、目標から逆算して勉強できるようにするためです。
- いつまでに勉強を終わらせる
- データベースを使ってできるようになりたいこと
- SQLを習得したらいくら稼ぎたいか
- 資格を取得する
など、なるべく具体的に決めた方が行動につながるでしょう。
達成までの期間も一緒に設定することをおすすめします。
【SQLを勉強するコツ5】視覚的に覚える
SQLは、命令文に合わせて表が変化します。
命令文のコーディング画面ばかりに集中せず、表も確認しながら視覚的に勉強しましょう。
命令文に合わせてどのように表が変化したのかを確認すれば、影響を与えた場所が理解しやすくなるからです。
小まめに表の状態を知り、自分で書いたコードが表のどの部分に影響したのか確認しながら勉強しましょう。
SQLのスキルをさらに活かす方法
ここまでに解説した方法で基礎を身につけたら、以下の方法で応用的に学ぶのが有効です。
- データベース製品の知識を高める
- Pythonや統計学を学ぶ
こなせる人が少ない高度な知識を身につけられれば、システムエンジニアとしてさらなるスキルアップを目指せます。
順番に見ていきましょう。
【方法1】データベース製品の知識を高める
SQLを活用するために、データベース製品の知識を高めましょう!
データベース製品は多種多様で、企業によって使えるものが異なっています。
それぞれの特徴・特性、SQLの使い方を抑えておくと、どのデータベース製品にも柔軟に対応可能です。
学習のために、製品各社が実施しているデータベースの技術者試験を受けるのもひとつの手です。
【方法2】Pythonや統計学を学ぶ
Pythonや統計学を学び、SQLの応用を目指しましょう!
Pythonとは、2021年7月現在人気が高まっている統計や分析を得意とする言語です。
現在主流となっている言語の「java」を抜いて、主流になるとも予想されています。
Pythonを統計学と合わせて学べば、SQLによるデータ操作からデータ分析まで一括で行うことが可能。
ここまでできる人は少ないので、自身の希少性がさらに高まります。
より重宝される人材になれるので、SQLと合わせて学ぶことをおすすめします。
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分からないことが解決できずに挫折することを防ぐため、初心者の方にはオンライン講座の利用をおすすめします。
オンライン講座なら、自分のペースで効率的に勉強を進められるからです。
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