「起業家精神って何?」
「どんな人のことを言うの?」
「必要なスキルや資質があれば知りたい」
そんなお悩みにお答えしていきます。
起業と聞くと、一部の飛び抜けた才能のある人しかできないことのように思えるかも知れません。
実際、いまの仕事や家族の生活を考慮すると、簡単に勤めている会社をやめて起業するという選択ができないのも事実でしょう。
しかし、起業家のメンタリティ自体は誰にでも持てます。むしろ、仕事のクオリティを高めてくれるので歓迎される思考法とも言えるでしょう。
そこで、この記事では
- 起業家精神とは!概要をサクッと解説
- 日本で注目される背景
- 必要なスキル・資質5選
- 起業家精神の身につけ方
と、起業家精神について詳しく解説していきます。
ぜひこの記事を参考に、明日からの生活をワンランクアップさせてみてくださいね!
起業家精神とは!概要をサクッと解説
世間で言われている起業家精神とは、具体的にどんなことを指すのでしょうか。
こちらでは、以下4つの観点から紐解いていきます。
- そもそも起業家精神ってなに?
- 起業家精神を持つ人の特徴
- 起業家精神は会社員でも持てる
- 企業家精神とは意味が異なる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1. そもそも起業家精神ってなに?
起業家精神とは、自分でゼロから新しい事業分野を起こそうとするメンタリティのことです。
英語では「entreprenurship(アントレプレナーシップ)」と訳されます。
起業家のことを「アントレプレナー」と呼ぶのも一般化してきています。
2. 起業家精神を持つ人の特徴
起業家精神に含まれる代表的な要素として、以下の5つがあります。
- 責任感の強さ:問題が発生しても自分でピリオドを打てる。失敗を他人のせいにせず、自分に原因を求め反省できる
- チャレンジ精神:あらゆる物事に好奇心旺盛に取り組める心。新しいことに積極的に関わる姿勢。変化の激しい現代において最も重要。
- 高い行動力:アイデアを現実に落とし込む力。ファーストペンギンになるだけでなく、だめだったときにすぐ撤退する早い方向転換も求められる
- 発想の柔軟性:前例のないことや斬新なアイデアを受け入れられる柔らかい頭。古い考えや固定観念にとらわれず、テクノロジーの発展や社会の変化に敏感になること。
- 粘り強く継続する力:自分が納得いくまで忍耐強く施策を実行できること。中途半端に投げ出したり、ちょっとした問題で挫折したりしない。
トップに立つ人間に共通する特徴と言えるでしょう。
3. 起業家精神は会社員でも持てる
たとえ平社員でも上司からの指示待ち人間より、モチベーション高く自発的に仕事に取り組める社員の方が結果を残せます。
起業家精神は、あくまで心の持ちようのことなので、現在の所属・地位はあまり関係がありません。
変化が激しく不安定な情勢が続く現代においては、起業家精神を持った人材が生存競争に打ち勝っていけるでしょう。
4. 企業家精神とは意味が異なる
よくある間違いとして「企業家」と表記されるケースがあります。
読みは同じですが意味には違いがあるので注意しましょう。
- 起業家:新しい分野で事業を立ち上げる人
- 企業家:既存の事業で経営を行う人
それぞれ確認しておいてください。
日本で起業家精神が注目される理由
世間でまことしやかにささやかれる「起業家精神」は日本人に欠如しているメンタリティと言われます。
こちらでは、議論のポイントを3つ紹介していきます。
- 日本の国際競争力の低下
- グローバルリーダーの育成
- 日本の雇用形態の変化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.日本の国際競争力の低下
スイスのIMD(国際経営開発研究所)が発行した「世界競争力年鑑2020」によると、日本は調査対象63カ国の中で34位と低迷しています。この結果は毎年徐々に悪化していき、2014年の調査から順位を13落とした形です。
戦後の高度経済成長に支えられてきた日本の競争力は、現代においては下から数えたほうが早いほどになってしまっています。
残業を美徳とする考え方や年功序列で上司の指示を絶対とする風土は、急激な環境変化に対応できていない可能性が高いです。
この状況を変えられるのは、起業家精神を持った人材であると考えられています。
2.グローバルリーダーの育成
インターネットが発展し輸送手段が充実した現代においては、国をまたいで取引する難易度が非常に低くなっています。EUの設立やFTAの締結などで関税障壁がほとんど解消されているケースも珍しくありません。
そのため、事業を行う際は視野を国内だけに留めず、常に世界戦を見越しておく必要があります。
しかし、グローバルな素養とビジネス経験を備えた人材を即戦力で採用することは簡単なことではありません。候補となる人材を社内で抜擢し、育成していく必要があります。
そういった場面で、起業家精神を持つ人材は重宝されるでしょう。外国籍の社員と対等に議論できたり、新しい価値観を許容できたりする懐の深さに期待が寄せられています。
3.日本の雇用形態の変化
日本の雇用システムの根幹を成すのは「終身雇用」「新卒一括採用」です。これらは元来、経済の成長を支える柱として機能し日本企業の強みと言われていました。
しかし、競争が激化した現代は「人材の流動性」「成果主義の導入」「生産性の向上」が求められる社会へと変容を遂げ、従来の雇用システムの崩壊が随所で見られるようになっています。
実際に手を打っている企業では、早期退職者を募ったり通年採用を取り入れたりと変革を行っています。
この改革を行う意図は、起業家精神を持つ人材を採用したいということにほかなりません。企業の生き残り戦略の一環として、熟練したメンタリティを持つ人間が求められています。
起業家精神に必要なスキル・資質5選
現代のビジネスパーソンに求められるスキル・資質とはどんなものなのでしょうか。
こちらでは以下の5つを紹介していきます。
- コンセプチュアルスキル(正解のない問題に立ち向かう力)
- マネジメントスキル
- ヒューマンスキル
- 学び続ける力
- 人脈
それぞれ詳しくみていきましょう。
1. コンセプチュアルスキル(正解のない問題に立ち向かう力)
問題解決や商品開発には発想力が大切です。とはいえ、すべてがセンスに依存するというのは少し語弊があるかも知れません。
なぜなら、1つの課題を一般性の高い問題として解釈する思考力や、現状から目標までの距離を詰めるロジカルシンキングで発想力は説明できるからです。
現代におけるイノベーションは突飛もないアイデアから偶発的に生まれるわけではなく、確かな土台と思考力に裏打ちされたものであると覚えておきましょう。
2. マネジメントスキル
コンセプチュアルスキルを使ってまとめたアイデアを成功に導くためには、チームを適切にマネジメントしなければいけません。
部下を適材適所に配置したり育成したりして、目標に到達できるようにリーダーシップを発揮していきます。1人ではたどり着けない大きな目標も、メンバーの力を借りれば到達できる可能性が高まっていくでしょう。
そのほか、期日通りにプロジェクトが進んでいるか進捗管理にも目を配る必要がありますね。
3. ヒューマンスキル
ヒューマンスキルは、コミュニケーション力とも言いかえられます。チーム内での意見のすり合わせだけでなく、外部や上層部との折衝にも必要です。
たとえばホリエモンこと堀江貴文氏が過去に起こしたフジテレビ買収騒動は、既得権益者への配慮が足りておらず頓挫したと言われています。
相手に好かれないまでも、スムーズに物事を進められるよう調整することはとても重要です。効果を低く見積もっていると、足元をすくわれる可能性があるので覚えておきましょう。
4. 学び続ける力
たとえここまでに挙げた「企画を実行に移す力・推進力」を持っていたとしても、施策がひと昔前の環境を前提にしていたら失敗する確率は高まります。
というのも、我々を取り巻く環境は刻一刻と変化しているからです。
数年前に最先端だった技術も、今となっては誰にも使われていないということも往々にしてあります。学ぶのをやめてしまった時点から劣化が始まることを肝に銘じておくべきでしょう。
いま若い人たちは何に興味を持っているのか、ターゲット層がよく使うWebサービスはなんなのかなど、アンテナを広く張り感度を高めておきましょう。
5. 人脈
自分に良い気づきを与えてくれるのは、信頼できる人との関わりです。
薄く広い人脈が役立つ場面も多いですが、それ以上に何でも相談できる濃く深い関係性の間柄の人と継続的付き合っていくことが大切です。
率直な意見が聞けたり本質的な疑問を投げかけてくれたりと、メリットが大きいでしょう。
とはいえ、その人の言いなりになるのは危険です。あくまで自分の視座を広げるためと割り切り、最終的な判断をするのは自分であるという意識を強く持ちましょう。
起業家精神を身につける方法5選
起業家精神は一朝一夕で身につくものではありません。しかし、ひとたび意識すれば明日からの生活がより充実したものになることは間違いないでしょう。
こちらでは、起業家精神を身につけるための方法を5つ紹介していきます。
- 本を読む
- SNSを活用する
- オンラインサロンに入る
- スモールビジネスを始める
- 人に会いに行く
それぞれ詳しくみていきましょう。
1. 本を読む
起業家の本を読んで、思考法を学ぶと良いでしょう。
代表的な書籍は以下のとおりです。
- マネジメント:世界的な経営学者のドラッカー著。漫画化・映画化もされた「通称:もしドラ」はエンタメ要素を盛り込みつつ組織論やロジカルシンキングに触れられると話題になった
- 生き方:京セラ創業者の稲盛和夫氏著。現代でも役立つ人生の心構えが学べる
- 道をひらく:パナソニック創業者の松下幸之助著。1968年に著された本だが、今でも新入社員の課題図書とする会社もあるほど。礼節を重んじ謙虚に生きることを説く
古典的な書物でも、普遍的な真理を説いたものが長く愛されています。
今でも学べる部分が多いので、ぜひ読んでみてください!
2. SNSを活用する
最近はYouTubeやInstagram、Twitterなどで情報発信を行っているインフルエンサーが増えています。
なかでも、以下のような人物をフォローしておくと起業家精神を学べるでしょう。
- マコなり社長:プログラミングスクール「テックキャンプ」代表。最も有名なスタートアップス起業家の1人。YouTubeで精力的に発信している
- メンタリストDaiGo:心理学の観点から人間関係を分析し、対処法を解説。ニコニコ動画の有料会員登録が必要だが、一部はYouTubeで無料公開されている
- マナブ:ブロガー・アフィリエイター・プログラマーで海外でノマド生活をしている。スモールビジネスの実践者でTwitter・YouTubeで発信活動を行っている
ほとんどの情報が無料で手に入れられるので、まずはここから始めてみましょう。
3. オンラインサロンに入る
オンラインサロンとは、インターネット上にある会員制の非公開コミュニティのことです。
理念に賛同したユーザーしか投稿を閲覧できないので、アンチに叩かれる心配がなくインフルエンサーの間で注目を集めています。
たとえば、以下の方のオンラインサロンが有名です。
- 堀江貴文(ホリエモン):HIU(堀江貴文イノベーション大学校)を運営。実業家・専門家の鋭い視点に触れられるので密度の濃い情報をインプットできる。スタートアップス支援などアクションを起こせるチャンスも。
- 西野亮廣:西野亮廣エンタメ研究所を運営。最新のマーケティング情報や西野の制作プロセスを共有している。サロンメンバーは7万人を超える巨大コミュニティ。
- やまもとりゅうけん:人生逃げ切りサロンを運営。人生を生き抜くためのスキルを身につけられる副業・フリーランスコミュニティ。デザイン・プログラミング・物販などさまざまなジャンルの講座を展開。
一般公開されている情報よりも濃密で忌憚のない発信が見られますよ。
4. スモールビジネスを始める
情報をインプットしても、行動に移せる人はごくわずかです。
元手が少なくて済むものからビジネスに触れてみることで、起業家に近い知見を得られるでしょう。
有名なものだと、アフィリエイト・動画編集・せどりなどがあります。
詳しくは関連記事「【2024年】スモールビジネスのアイデア10選!実業家が失敗しない始め方を詳しく紹介」にて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
5. 人に会いに行く
Web上のつながりは手軽ですが、それだけに甘えてしまうのはもったいないです。
実際に足を運んでオフラインで交流したほうが濃密なつながりができるからです。信頼関係が構築でき、同じ仕事に携われるというケースもあります。
とはいえ、近年の行動規制がかかった環境下では注意が必要です。SNSで連絡をとったら、Zoom会議などで話す機会を設けてもらうことも検討しましょう。
ぜひこの記事を参考に、起業家精神を習得してみてくださいね!