「資産運用にはどんな詐欺がある?」
「詐欺を避けて安全に資産運用するにはどうしたらいい?」
「リスクの少ない安全な運用方法はないの?」
このような疑問にお答えします。
老後や円安といったリスクに備えるために資産運用を始める人が増えてきた中で、悪質な詐欺事例も出てきています。
安全に資産形成するためには、どんな悪質な詐欺があるのかを把握し、騙されないための対策を講じることが必要です。
そこでこの記事では、資産運用の詐欺に関する以下の内容を解説します。
- 資産運用を悪用した詐欺の事例
- 詐欺の可能性が高い資産運用の特徴
- 詐欺に遭わないために知っておくべき資産運用の原則
詐欺に遭うことなく安全に資産運用したい人は、ぜひご一読ください。
資産運用を悪用した詐欺の事例7選
資産運用に関連した詐欺では、以下7つの事例が多く見られます。
- 未公開詐欺
- 外国通貨詐欺
- ポンジスキーム詐欺
- 情報商材詐欺
- 高利回りファンド詐欺
- システムトレード詐欺
- 劇場型作業
詐欺に遭うのを避けるには、それぞれの特徴について理解しておくことが重要です。
ひとつずつ詳しく解説します。
1. 未公開株詐欺
証券取引所にまだ上場していない未公開株の購入を持ちかけ、金銭を得る詐欺です。
株式上場すると、株の価値は大きく上昇します。
将来性のある未公開株に投資できれば、多額の利益につながるでしょう。
ところが詐欺の場合は、いくら投資をしても、リターンはありません。株は上場することなく、まったく価値を持たないまま会社が倒産します。
なお未公開株が上場する際は公募増資が行われ、金融庁のホームページに掲載されることが多いです。
そのため、未公開株の購入を持ちかけられた場合は、金融庁のホームページを確認しましょう。
もし掲載されてていなければ、購入を見送るのが確実です。
2. 外国通貨詐欺
新興国で扱われている知名度の低い外国通貨を利用した詐欺で、以下のような手法があります。
- 相場からかけ離れたレートで取引させお金を騙し取る
- 国内で換金が外国通貨(ラクディナール、コンゴフラン)などを購入させる
- 市場の数十倍の値段で取引させる
外国通貨詐欺では「今後経済発展し価格が上昇する」というような、最な言葉を持ちかけられ詐欺に遭ってしまうことも多いです。
しかし、新興国の通貨市場は資産運用の経験者でも把握しづらく、投資が難しいです。
国内で為替取引ができない通貨を勧められた際は、外国通貨詐欺を警戒した方が良いでしょう。
3. ポンジスキーム詐欺
配当金を条件に出資金を集め、お金を騙し取る詐欺です。
集めたお金は運用には使われず、他の出資者への配当金として支払われます。
つまり自転車操業形式で運営されており、将来的に確実に破綻することを前提としてお金を集めています。
出資者が増えている間は実際に配当金が支払われるため、詐欺とは気付きにくいです。
そのため出資者が他の人にも勧めてしまい、口コミで広がるパターンもあります。
ポンジスキーム詐欺は「高配当・高利回り」「元本保証」といった、好条件を持ちかけられるのが特徴的です。
リスクを負わずに儲けられることはないため、あまりの好条件で持ちかけられた際は警戒しましょう。
4. 情報商材詐欺
「絶対に儲かる方法」「1日30分で月100万円」といった謳い文句で、書籍やセミナーなどの情報商材を高額で売りつける詐欺です。
商材の中身は、ネットで調べると出てくるような薄い内容で、値段に見合った価値を持たないことがほとんどです。
それにもかかわらず過激な謳い文句で訴求されることで、購入してしまう人が多いです。
資産運用に限りませんが、簡単に儲けられる方法はありません。
情報商材のほとんどは詐欺ですので、購入しないのが確実です。
5. 高利回りファンド詐欺
「年利20%」のような、架空の高利回りファンドを勧誘する詐欺です。
ファンドとは、出資金を集めてプロのファンドマネージャーが共同運用する仕組みのことです。
高利回りファンド詐欺では、お金が集まったタイミングでマネージャーと音信不通になってしまいます。
そのため、投資の配当金は得られず、元金の回収もできません。
また、高利回りファンド詐欺には、成功報酬として一部を受け取る契約をするパターンもあります。
詐欺をする側は投資がうまくいけば利益を得られますし、失敗しても他人のお金で運用しているだけですので損失につながりません。
将来のリターンを約束しているファンドや、短期間で利益を上げようとするファンドは避けた方が良いでしょう。
6. システムトレード詐欺
一定のプログラムに従って自動的に売買を行う「システムトレード(自動売買プログラム)」を活用した詐欺です。
「このプログラムを使えば絶対に儲かる」「FXで負けない」というように偽り、成果につながらないシステムトレードを購入させます。
実際に多くの投資家がシステムトレードを活用しているため、利益を出せるという話を信用してしまいやすいです。
システムトレードが有効なツールであることは確かですが、必ず儲かるものは存在しません。
システムトレードに関して都合のいい謳い文句を持ちかけられた際は、詐欺を疑った方が良いでしょう。
なお、一般的にシステムトレードの価格は、数万円以内です。
10万円のような高額ツールを勧めてきた際も、詐欺の可能性を考えて購入を避けるべきです。
7. 劇場型作業
複数の人物が役を演じることで、投資話を信用させてお金を騙し取る詐欺です。
手法としては「〜社の未公開株を購入しませんか」と持ちかけ、数日後別の相手から「〜社の株を買い取りたい」と連絡が来るパターンが多いです。
複数の人物によって辻褄の合う話の流れを作られることで、投資に応じてしまいやすくなります。
同じタイミングで取引の勧誘を複数受けても、対象の投資商品や取引相手についてよく調べるようにしましょう。
詐欺の可能性が高い資産運用5つの特徴
詐欺の可能性が高い資産運用には、以下5つの特徴があります。
- 「必ず儲かる」と主張してくる
- 老後や日本の将来への不安を過剰に煽る
- 期間限定を主張する
- 利回りが相場と合っていない
- 元本保証をアピールしてくる
上記に該当するものを避けることで、詐欺に遭うリスクを減らせます。
順番に見ていきましょう。
1.「 必ず儲かる」と主張してくる
「必ず儲かる」と主張してくる投資に関しては、詐欺である可能性が高いです。
資産運用はどの方法でも一定の割合で損失を出すリスクがあり、必ず利益を上げことはできないためです。
多額の利益を狙えるものは損失を出すリスクも大きいため、安全に儲ける方法はありません。
「必ず儲かる」という謳い文句で勧められたものは、詐欺である可能性が極めて高いため注意しましょう。
2. 老後や日本の将来への不安を過剰に煽る
老後の不安や日本の財政破綻といった将来の不安を過剰に煽り、資産運用を持ちかけてくる場合があります。
過度に不安を煽られると、平常心を保てず冷静な判断ができなくなります。
そのため、怪しい投資商品であっても信用してしまう恐れがあるのです。
過剰に煽られると不安を覚えやすいですが、投資をすぐに判断するのは避けるのが確実です。
冷静に検討することで、詐欺を避けられる可能性が高まります。
3. 期間限定を主張する
「限定〜人」「今日だけ」などの言い方で特別感を演出し、投資商品を勧めてきた場合は詐欺の恐れがあります。
投資をしないと損をしてしまうという気持ちにさせられ、お金を支払ってしまいやすくなります。
通常、世間に出回っていない有用な投資情報を、出会って間もない相手に教えることはまずありません。
投資商品は、自分の資産運用の目的や余剰資金をもとに、検討した上で購入するものです。
期間限定を主張されても、その場で購入を決めないようにしましょう。
4. 利回りが相場と合っていない
資産運用詐欺では、利回りが相場と合っていないことが多いです。
東京証券取引所に上場している株式の利回りは2〜3%、中長期の運用だと4〜7%が相場です。
10%以上のように高い利回りを安定的に出せる金融商品は、詐欺と考えた方が良いでしょう。
詐欺を避けるためにも、高い利回りの商品を勧められた場合は、現在の相場を確認するのがおすすめです。
5. 元本保証をアピールしてくる
元本保証をアピールし、投資を勧めてくる場合は詐欺である可能性が高いです。
なぜなら資産運用において、元本保証はないためです。
元本保証があるのは、定期預金や個人向け国債といったローリスクの商品のみです。
元本保証と多額の利益を謳った投資商品は詐欺ですので、購入しないようにしましょう。
資産運用の詐欺に遭わないために知っておくべき3つの原則
資産運用を行う上では、詐欺に遭うことは絶対に避けたいところです。
詐欺に遭わないためには、資産運用における以下3つの原則を理解しておきましょう。
- 信頼できる相手や機関とのみ取引を行う
- 資産運用は長期的に利益を出すもの
- 購入前に投資商品についてよく調べる
ひとつずつ詳しく解説します。
1. 信頼できる相手や機関とのみ取引を行う
資産運用は、信頼できる相手や機関とだけ行いましょう。
法律上、幅広い投資家に出資の勧誘は、金融庁(財務局)の登録を受けた業者しか行えません。
登録なしでの勧誘は法律違反ですので、詐欺に遭う恐れがあります。
投資詐欺をする人は、聞いたことのない業者や機関の名前を名乗ることが多いため、注意が必要です。
資産運用は、金融庁に登録されている業者や機関との取引だけにする方が確実です。
2. 資産運用は長期的に利益を出すもの
資産運用は、長期的に利益を狙っていくのが最も安全です。
20〜30年と少額で長期的に投資することで、リスクを抑えながら少しずつ利益を増やせるためです。
資産運用の詐欺では、短期的に利益を出せるかのように謳っています。
短期投資で利益を上げるには、値動きを当て続ける必要があり難易度が高いです。
短期運用の提案は聞かず、安全に資産形成できるため長期運用を基本としましょう。
ほとんどの詐欺が短期運用の提案ですので、騙されるリスクを抑えられます。
3. 購入前に投資商品についてよく調べる
投資商品は、どんなものかよく調べた上で購入しましょう。
運用を専門家に全て丸投げするやり方だと、詐欺に遭っていても気づけません。
事前に投資商品に関する知識を持っていれば、詐欺を持ちかけられていても見抜いて購入を避けられます。
また、専門家に運用を依頼する場合でも、最終的な投資判断は自分で行わないといけません。
資産運用について学ぶには、お金に関する知識を持っている人から学ぶのが有効です。
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資産運用を行いたい人は、ぜひ登録してみてください。
資産運用で詐欺に遭ってしまったら警察や専門家に相談する
もし資産運用で詐欺に遭ってしまったら、警察や専門家に相談しましょう。
確率は低いですが、騙し取られたお金を取り戻せる可能性もあります。
警察以外だと、弁護士や国民生活センターへの相談も有効です。
弁護士であれば「振り込め詐欺救済法」という被害者救済制度、国民生活センターでは和解や仲介といった裁判以外の方法での解決に動いてくれます。
泣き寝入りするのではなく、お金を取り戻すための行動に移すことが大切です。
【低リスク】安全性の高いおすすめの資産運用5選
資産運用を行う以上、詐欺はもちろん損失を出すリスクはできる限り減らしたいのではないでしょうか。
そこでここからは、低リスクで安全性の高い資産運用方法を5つ紹介します。
- 投資信託
- 国債
- 金投資
- 貯蓄型保険
- ロボアドバイザー
順番に見ていきましょう。
1. 投資信託
投資信託は、資産運用の専門家にお金を預け、自分の代わりに株式や債権への投資を行ってもらう商品です。
少額から始められるほか、分散投資で損失を出すリスクを軽減できるため、投資初心者の人にも適しています。
投資信託を行う際は「つみたてNISA」という、投資の収益に発生する税金が非課税になる制度を利用するのがおすすめです。
非課税額は毎年40万円までで、期間は最長20年です。
つみたてNISAと組み合わせれば、より安全かつお得に投資信託を始められるでしょう。
2. 国債
国債とは、国が発行する債権のことです。
社会保障やインフラ整備を税金で賄えなくなった場合、国債を発行し投資家からお金を募ります。
国債は満期を3年・5年・10年から選択でき、満期を迎えると元本に利子を含めた金額が償還されます。
元本割れのリスクがないため、安全に資産運用したい場合は国債がおすすめです。
3. 金投資
現物資産として価値が高い、金(ゴールド)を運用する投資方法です。
金は世界的に価値が高く、価格は右肩上がりで上昇してきています。
今後もその傾向が続くことが考えられるため、数ある投資の中でも特に低リスクで多くのリターンを得られる投資方法と言えます。
投資対象である以上災害や大恐慌といった有事による影響は受けますが、他の投資商品と比べると下落率が少ない傾向です。
資産運用のリスクヘッジにもつながり、安全に運用できるでしょう。
4. 貯蓄型保険
貯蓄型保険は、満期を迎えると満期保険金、途中解約した際も解約返還金を受け取れる生命保険です。
上記に加えて、死亡・高度障害状態に対する保証といった、通常の保険と同様の保証も受けられます。
貯蓄型保険には、以下5つの種類があります。
保険の種類 | 概要 |
終身保険 | 保証が一生涯続く。契約期間が長いほど、保険金が多くなる。 |
養老保険・学資保険 | 期間満了時に生存していると満期保険金、死亡した場合は死亡保険金が支払われる。 |
個人年金保険 | 保険料を積み立てておくことで、被保険者が一定の年齢を迎えた際に給付金(年金または一時金)を受け取れる。 |
外貨建て保険 | 外国の通貨(外貨)に交換したお金で保険料を払う。
通貨レート次第で、日本円より受け取り額が増加する。 |
変額保険 | 支払った保険料の一部を保険会社が運用。運用実績によって、将来受け取る保険金や解約返戻金が変動する。 |
保険をどう活用したいのかに合わせて、申し込むものを検討できます。
保険として現在のリスクに備えつつ、将来的な資産も作りたい人におすすめです。
5. ロボアドバイザー
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