「起業したいけれど、どのような手順で進めればいい?」
「自分で起業って本当にできるかな……」
「どんな人が起業に向いている?」
などと考えていませんか?
せっかく起業するのであれば、しっかり成功できるビジネスモデルを構築したいですよね。
ところが少し難しいイメージがあって「自分にもできるのかな?」と感じている方もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、起業する手順や向いている人・向いていない人の特徴などを詳しく解説していきます!
これから起業したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
起業する方法5ステップを解説
起業する方法は手順を知れば難しくありません。
こちらでは、起業の方法を以下の5ステップに分けて解説していきます。
- 起業の目的を決める
- どのような商品を誰に向けて提供するのか決める
- 起業の形態を決める
- 起業にかかる資金を調達する
- 事業の開始手続きをする
起業の手順を確認してみてください。
【ステップ1】起業の目的を決める
まずは起業の目的を決めましょう。ビジネスを立ち上げる際には、強い気持ちが必要です。
「起業して何をしたいのか」をしっかり考えないと、起業するだけで満足してしまい、ビジネスを成功させるのが難しくなってしまいます。
起業することを目的にしてはいけません。なぜ起業するのかしっかり考えて、目的を見失わないようにしましょう。
【ステップ2】どのような商品を誰に向けて提供するのか決める
目的が決まったら「どのような商品を誰に向けて提供するのか」具体的にしていきます。
成功するためにも、現実的なビジネスプランを立てましょう。
- 誰のどのようなニーズに応えるのか
- どのような商品やサービスを提供するのか
- 自分だけの強みになる部分はどのようなところなのか
など、さまざまな角度からビジネスプランを検討してみてください。具体的にイメージできなければ、実現は難しくなります。
【ステップ3】起業の形態を決める
起業の形態を決めましょう。起業とひとまとめにいっても、様々な方法が存在します。
- 個人事業主:費用があまりかからず開業も簡単
- 法人:信用度が上がる。税制優遇などのメリットもある
- フランチャイズ:初期費用を抑えられる
- M&A:資金がある人におすすめ
など。起業形態により手続き方法や必要な資金が異なります。考えたビジネスプランに合う起業方法を選びましょう。
【ステップ4】起業にかかる資金を調達する
起業の形態が決まったら、必要な資金を集めます。
事業を開始するのにいくら掛かるのかを計算し、必要資金が足りない場合は、調達しなければなりません。
資金を集める方法はさまざまです。
- 補助金や助成金を利用する:手続きが大変だが返済不要のメリット
- 融資を受ける:日本政策金融公庫は審査が通りやすくおすすめ
- クラウドファウンディング:マーケティグも兼ねて資金が調達でき、早いうちからファンを作りやすい
- ベンチャー・キャピタル:出資を受けるのは難しいが、多くの資金を援助してもらえる事が多い
などがあります。また、貯蓄があるなら自己資金だけで起業することも可能です。自己資金なら毎月の返済や利息が発生しないので、事業をスムーズに進められるでしょう。
なお起業の経験がない場合は、まずは初期費用が少ないビジネスから始めることがおすすめです。
いきなり借金をして事業を始めると、失敗したときに取り返しがつかなくなる可能性があります。
なるべく自己資金で、余裕を持って起業を始めるようにしましょう。
【ステップ5】事業の開始手続きをする
資金が調達できたら、事業開始の手続きを行いましょう。
個人事業主は、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
法人の場合は提出書類が多くなります。
- 公証人役場:定款の認証
- 税務署:定款の提出、法人設立届出書、給与支払事務所等の解説届
- 法務局:設立登記
など。
詳しい手続きは国税庁や法務局の公式サイトを参考にしてみてください。
女性が起業するには女性ならではの視点が重要
2021年8月現在では、女性の起業家も増加しています。
それでも女性の起業家は21.4%と、全体の2割程度。男性の方が圧倒的に多い状態です。
しかしこれは女性が少ない分、女性ならではの視点を活かせれば、大きな差別化が図れるということでもあります。
実際に女性を対象とした美容系のサロンやアパレルブランド、主婦目線のお菓子ブランドで成功しています。
また、女性起業家だけの交流会も開催されているので、積極的に参加すれば人脈を作りやすいです。
基本的な起業の方法は、男女ともに同じです。
女性だから不利ということはなくむしろチャンスが大きいので、起業してみたいならぜひ挑戦してみましょう。
起業したいけどアイデアがない!見つける5つの方法
ソフトバンクの孫正義さんは、過去に「どのビジネスを選ぶかで、同じことをやっても大きくも小さくもなる。最初に挑戦する事業はどのビジネスで勝負するかを考えに考え抜いた」と発言しています。
起業するなら、ビシネスのアイデアは非常に重要です。
しかし「起業したいけどビジネスのアイデアがない…」という人もいるでしょう。
そこでここからは、起業のアイデアを見つける5つの方法を紹介します。
- 思いつくものを紙に書き出す
- 複数のアイデアを組み合わせる
- アイデアを人に話して意見をもらう
- 時代の流れを分析する
- 自分の好きなことや得意なことから考える
順番に見ていきましょう。
1. 思いつくものを紙に書き出す
とにかくビジネスアイデアとして思いついたものを、紙に書き出していく方法です。
この際は、アイデアを実現できるか・面白いかについては一切考えないことがポイントです。
ひたすら紙に書き出していくことでアイデアを出す感覚を作っていけますし、書いた中に面白いアイデアがあるかもしれません。
ビジネスアイデアは、頭で考えているだけでは整理できないものです。思いつく限り紙に書き出して、視覚的に見られるようにしてみましょう。
2. 複数のアイデアを組み合わせる
複数のアイデアを組み合わせることで、今までにない新しいものが生まれる可能性があります。
世界初の特許は誰もが知っている「消しゴム鉛筆」です。
これは本来別々の商品であった消しゴムと鉛筆を組み合わせて、ひとつの商品として成り立たせています。
消しゴム鉛筆は2つのアイデアの組み合わせですが、3つ・4つと多くのものを組み合わせることで、斬新なアイデアが生まれるかもしれません。
業界・市場・ニーズなど、さまざまなものを組み合わせられないか考えてみましょう。
この際にも、前述した「紙に書き出す」という方法が有効です。
3. アイデアを人に話して意見をもらう
思いついたアイデアを人に話して意見をもらいましょう!
自分で面白いと思っていても、他人にとってはそうではないことがよくあるためです。
人に意見をもらうことで、今考えているアイデアをさらに磨いていけます。
人に話した結果面白くなければ別のアイデアを考えればいいですし、改善点があるならブラッシュアップすることも可能です。
また、相手に「生活面で何か困っていることはないか」を聞いてみるのも有効。
悩みを解決できるものを作れれば、いいビジネスアイデアとなります。
4. 時代の流れを分析する
時代の流れから次に流行るものを予測し、ビジネスアイデアにつなげるのも有効です。
5年以内の流行予測は難しいですが、10〜20年後の日本の人口のような長期的な未来予測は外れることが少ないです。
今後日本は少子高齢化社会が加速すると見られており、注目されているのが介護ロボットの分野。
取り組みは日本が最先端ですし、高齢者が多い分市場としても世界最大です。
そのため、介護ロボットに関連するビジネスを展開できれば、成功する可能性はあると考えられます。
参照:日本の今後と介護ロボット
今後低迷する可能性の高いビジネスを始めても、失敗する可能性が高いです。
そういったものを避ける意味でも、長期的な時代の流れを見て判断しましょう。
5. 自分の好きなことや得意なことから考える
自分の好きなことや得意なことなら仕事が楽しくなりますし、事前知識がある分ニーズをつかんで展開しやすいです。
例えば好きな食べ物なら、飲食店以外にもレシピ販売や事業継承の支援をするという手もあります。
英語が得意なら、学習をサポートするオンラインサロンを開設するのもいいでしょう。
ただ、好きなことや得意なことだと趣味や自己満足に走ってしまい、ビジネスとして成り立たない可能性があります。
人に意見を聞き、客観的な視点を忘れないようにしましょう。
起業するために必要な4つの能力
起業するだけなら誰でもできますが、その後ビジネスを成功させていくためには、以下のような能力が求められます。
- マーケティング能力
- 税金などのお金の知識
- 組織を動かすリーダーシップ
- 優先順位をつける時間管理力
現時点で足りていないと感じるものがあれば、起業の前に身につける必要があります。
順番に見ていきましょう。
1. マーケティング能力
サービスや事業を広めていくには、マーケティング能力が求められます。
具体的には、以下のものです。
- 開発のための市場分析
- 価格設定
- 販売方法
- 販売経路・手段
マーティングでは、こういったものを適切に組み合わせて行います。どれかひとつ欠けるだけでもうまくいきません。
マーケティング能力を高めたいなら、中小企業診断しやネットマーケティング検定などの資格を勉強するのもいいでしょう。
2. 税金などのお金の知識
個人事業主・法人のどちらであっても、税金といったお金の知識が求められます。
起業・経営する上では、さまざまな税金が関わってくるためです。
お金の管理で貸借対照表や損益計算書などの書類を作成しますし、年度末には確定申告も必要です。
会計士や税理士に相談するのも有効ですが、最低限の知識がないとアドバイスを理解できないので活かせません。
依頼するとしても、自分で税金関係の手続きができるくらいの知識を身につけておきましょう。
3. 組織を動かすリーダーシップ
1人でも従業員を雇用すれば、リーダーシップが必要。事業が拡大し従業員が増加していくと、さらに求められます。
一例としては、以下のものです。
- 事業を安定させる経営力
- 社内外の人の心を掴む求心力
- 先を読む先見性
適切なリーダーシップは、従業員のモチベーション・事業安定につながります。
どういったものがリーダーシップなのかは、はっきりとした定義はありません。
そのため事業を行うなら、常に模索していく能力といえます。
4. 優先順位をつける時間管理力
事業を行う上で、使える時間は限られています。
そのため重要なことは何かを見極め、適切に時間を割いていく「時間管理力」が必要です。
すべての仕事を自分でこなすのは難しいため、自分がやる必要がないことは他人に依頼するのも有効です。
時間管理について詳しく知りたいなら「7つの習慣」を読んでみるといいでしょう。
個人事業主と法人設立のメリット・デメリット
起業するにあたり、個人事業主になるか法人設立にするか迷う方も多いでしょう。
そこで、こちらでは個人事業主と法人設立のメリット・デメリットをそれぞれ解説していきます。
どちらの方法で起業するのが向いているか、参考にしてみてください。
個人事業主のメリット・デメリット
個人事業主のメリットは、以下の2つが挙げられます。
- 法人に比べると手続きが簡単
- 法人に比べると税金の計算が簡単
個人事業主を選ぶメリットは、法人設立に比べると簡単に手続きができることです。開業届を出せば設立手続きが完了するからです。
また、税金を収めるときの確定申告がそれほど複雑ではありません。
青色申告を提出すれば、65万円の特別控除が受けられるのもメリットでしょう。
一方個人事業主のデメリットは、法人に比べると社会的信用が劣ることです。
クライアントによっては、法人でなければ取引しないというところもあります。取引の際には個人事業主であることが障害になる可能性もあるでしょう。
法人設立のメリット・デメリット
法人設立のメリットは以下の2つが挙げられます。
- 社会的な信用が得られる
- 節税できる
法人設立は個人事業主に比べて社会的信用が得られやすいのがメリットです。
クライアントからの信用を得やすいのはもちろん、銀行からの借り入れ審査も比較的スムーズに進められます。
さらに、法人設立には金銭的なメリットもあります。赤字を最長9年繰り越せるので、3年の個人事業主に比べると節税面で有利です。
一方、法人設立のデメリットは以下の2つが挙げられます。
- 手続きがの手数が多い
- 税務や経理の知識が必要
法人設立は、個人に比べると手続きがかなり煩雑です。起業への志を強く持ち、モチベーションを保ちながら手続きを行っていきましょう。
経理などは専門家に任せるというのもひとつの方法です。
個人事業主から法人へ移行するのもあり
個人事業でスタートして、事業が軌道に載ったら法人へ移行する方法も検討してみましょう。個人事業主が事業を引き継ぎ法人になることを「法人成り」といいます。
法人成りすると、個人事業主で納めていた所得税が法人税と所得税に分散されるので、節税になります。トータルで節税できるので、収入が増えてきたら法人成りを検討してみてください。
起業に向いている人の特徴4選
起業に自信のない方や迷っている方もいるでしょう。そこで、こちらでは起業に向いている人の特徴を以下の4つに分けて紹介します。
- 行動力のある人
- 自信を持っている人
- 諦めない人
- 考え方が柔軟な人
自分が起業に向いているかどうか知りたい方は参考にしてみてください。
1.行動力のある人
起業では行動力が重要です。起業は、何でも自ら実行しなければならないからです。
頭の中にアイデアがあるだけの状態を、起業とはいいません。
「まずはやってみよう」という行動力があれば、起業はすぐにできます。
しかし準備がまだ揃っていないから、まだ時期ではない気がするからと後回しにしてしまい、いつまでも起業できないケースも多いです。
よって、行動力がある人は起業に向いていると言えるでしょう。
2.自信を持っている人
自信を持っている人は前向きです。
たとえ根拠のない自信だったとしても「成功するためにはどのようにするべきか」を考えて行動できます。
事業を始めるということは、自分が提供するサービスや商品を、自信を持ってアピールすることが必須です。その結果、サービスや商品を人に買ってもらえるようになります。
一方で、自信のない商品やサービスを買ってくれる人はいません。
自分を信じて「できる」と思いながら行動できる人は起業に向いているでしょう。
3.諦めない人
起業して何の障害もなく成功する人は少数です。完璧なアイデアだと思って起業したとしても、上手くいかないことがあります。
どうしたら上手くいくのか、方法を変えながら諦めずに挑戦することが成功には不可欠です。
すぐ諦めてしまう人に手を差し伸べてくれる人はいません。諦めず努力する姿に人はついてくるものです。
4.考え方が柔軟な人
起業する人は信念を貫くことが大切ですが、柔軟性を持ち合わせていることも重要です。
決めたことを曲げず貫き通そうとしても、ときにはその決断が間違っていることもあります。
事業行っていく上で、失敗した時は過ちを認め、方向転換する柔軟性が大切です。状況が変わったときには、それに合わせて計画も軌道修正していきましょう。
起業に向いていない人の特徴3選
起業に向いていない人の特徴も気になるでしょう。こちらでは、起業に向いていない人の特徴を以下の3つに分けて紹介します。
- 責任感がない人
- お金にだらしない人
- 起業がゴールと考えている人
自分が起業に向いているか向いていないかをチェックしてみてください。
1.責任感がない人
起業するということは、何かあったら自分で責任を負わなければなりません。失敗したときに環境や人のせいにしてしまう人は起業に向いていません。
問題が発生した時に、なぜ起きたのか、問題が起きないようにするためにはどうすればよいのかを考えることが大切です。責任感を持っている人は成長し続けられます。
起業したらすべての責任を自分で負う覚悟を持ちましょう。
2.お金にだらしない人
お金にだらしない人は起業に向いていません。起業したら資金繰りが重要です。キャッシュフロー(現金の流れ)をしっかり把握し、利益がどれだけ得られるのかを考えなければなりません。
- どんな理由でお金が入ってきたのか
- どんな理由でお金が出ていったのか
お金の管理が苦手なら「起業は向いていない」と諦めるのではなく、経理担当や税理士を雇うことも視野に入れてみてください。
3.起業がゴールと考えている人
起業は手段であってゴールではありません。起業したら走り続けなければならないものです。
- 今の仕事が辛くて辞めたいから
- 社長になってみたいから
- 儲かりそうだから
などの理由で起業すると、上手く行かないことが多いでしょう。
起業はゴールではなく、目的を達成するための手段と考えて、向上心を持って仕事に取り組んでいきましょう。