「副業の年末調整って必要なの?」
「税金を減らしたい」
「確定申告のやり方を教えてほしい」
このような悩みにお答えしていきます。
副業している方は、本業で年末調整する際にどう対応すればいいか気になりますよね。
「年末調整で副業がバレる?」「副業は確定申告しないといけない?」など不安が尽きないのではないでしょうか。
そこで本記事では、副業する方の年末調整について、以下の内容を紹介します。
- 年末調整の概要
- 注意点
- 節税のポイント
心配を少しでも減らし、副業に安心して取り組める環境を作っておくためにも、ぜひ最後までご覧ください!
年末調整とは|所得税を再計算して正しい納税額に調整すること
年末調整とは、年収に応じた所得税を再計算して正しい納税額に調整することです。
会社側が従業員の所得を、さまざまな所得控除を適用した上で算出します。その上で、源泉徴収した分の差額を還付または徴収する仕組みです。
正社員だけでなくパート・アルバイトの方も対象なので、主婦や学生の方にも関係あります。
年末調整の対象になる人の特徴
対象は原則として企業から給与の支払いを受けている人です。
例えば、以下のような条件に当てはまる方を指します。
- 通年で勤務している
- 年の途中で就職・転職して年末まで勤務した
- 12月中に給与を受けとり、退職した
- 心身の重い障害のために退職し、年内に再就職が見込めない
- 年の途中で海外に転勤となり、非居住者になった
上記以外にも条件付きの対象者や例外があるので、国税庁の「年末調整のしかた」を参考にチェックしておきましょう。
年末調整のやり方
年末調整は12月の給与支払いに合わせて行われます。そのため、毎年11月下旬になると準備開始です。
本業の勤め先から以下の3つの書類が配布されるので、記入して12月初旬には提出する必要があります。
- 給与所得者の保険料控除申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
名前は一見難しそうな書類ですが、すべて書き方の手本があり、記入漏れあれば都度追記するだけなので安心です。
詳しくは、国税庁の「年末調整のしかた」をご覧ください。
副業している人が年末調整で注意すべき5つのポイント
副業している方が年末調整で注意すべき点は、以下の5つです。
- 年末調整は1か所だけで行う
- 源泉徴収票は確定申告まで保存する
- 副業(ダブルワーク)する際は会社に相談しておく
- 副業で年収20万超なら確定申告する
- 副業で年収20万以下でも必ず住民税を申告する
さっそく見ていきましょう。
1. 年末調整は1か所だけで行う
仮に2つの会社に属している場合でも、年末調整は1ヶ所のみで行いましょう。
年末調整に必要な「扶養控除等申告書」などの書類は、原則として1か所にしか提出できません。
もし2つ以上の会社から給与所得を受け取っている場合、状況に応じて以下の対応を行います。
- 副業の収入が年間20万円超:確定申告を行う
- 副業の収入が年間20万円以下:確定申告なし
- 副業の収入が年間20万円以下だが還付などの申告が必要:確定申告を行う
メインで収入を得ている会社では年末調整を行い、サブの会社の収入状況に応じて、確定申告が必要かどうかを確認します。
年末調整は1社のみなので、各働き先で行わないように注意しましょう。
2. 源泉徴収票は確定申告まで保存する
確定申告する場合、副業だけでなく、本業の源泉徴収票も必要です。
無くすと控除や経費が計上できず、正しい税金が算出できません。
結果的に多く税金を納めたり、不足して追納したりするリスクを伴うので注意しましょう。
また確定申告は、5年前まで遡って行うことが可能です。仮に申告を間違えた場合でも、5年間であればやり直しが効きます。
そのため源泉徴収票は、5年間保管しておくと安心です。
3. 副業(ダブルワーク)する際は会社に相談しておく
副業(ダブルワーク)する際は、事前に会社に相談しておくことが大切です。
もし勤め先が副業を禁止していたり、競業の可能性があったりする場合、トラブルの原因となるからです。
また、副業の収入があると本業の税金に上乗せされるので、隠していてもバレるリスクがあります。
気持ちよく副業に取り組むために、就業規則を見直したり、人事に確認をとるのがおすすめです。
4. 副業で年収20万超なら確定申告する
年末調整した勤め先以外は、副業扱いになります。
この収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要です。
もし20万超の副業収入があるにも関わらず確定申告を行わないと、延滞税が加算されます。
ただし、以下の場合は確定申告は不要です。
- 給与収入の合計金額から、雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控除以外の各種所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下
- 給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下
また、副業が事業収入にあたる場合、基準が変わったり経費を計上できたりします。
5. 副業で年収20万以下でも必ず住民税を申告する
副業で年収が20万以下の場合は確定申告が不要ですが、住民税の申告は必要です。
確定申告は「所得税」を支払うための手続きであって、住民税とは関係がありません。
確定申告を行うと住民税も自動的に計算されるのですが、行わない場合は自分で申告を進める必要があります。
仮に申告しなければ、延滞税や無申告加算税が追加されるので注意しましょう。
また、本業と副業の住民税は合わせて請求されるため、勤め先に副業がバレるリスクがあります。
ただし役所に依頼すれば別々の請求も可能なので、忘れないように報告しておきましょう。
副業で節税するなら押さえたい3つのチェックポイント
ここでは、節税するなら押さえたいチェックポイントを3つお伝えします。
- 副業の経費を差し引く
- 控除や減価償却費を計上する
- 青色申告を選ぶ
以下で詳しく見ていきます。
1. 副業の経費を差し引く
副業でかかる費用は経費として申請でき、所得税を抑えられます。
計上できる経費の例は以下の通りです。
- 自宅をオフィスとして利用する時の家賃・水道光熱費
- インターネット利用料金
- スマホ通信料金
- 電車・バス・タクシーなどの交通費
- 商談の際のカフェ代
その他、上手に利用すれば税金を安くできます。
ただし、プライベートの支出をむやみに計上するのは禁止です。
いつ・どこで・どんな用途で使用したのか、都度記録しておくのをおすすめします。
2. 控除や減価償却費を計上する
確定申告すれば、所得に対して控除や減価償却費を計上できます。
控除の例は以下の通りです。
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- ひとり親控除
- 医療費控除
- 勤労学生
これらは正確に計上することで課税対象額が減ったり、税金そのものが減ったりするため、大きな節税効果が見込めます。
主婦や一人親、学生の方でも使える制度があるのもポイントです。
控除や減価償却費に使える支出の領収書・レシート等は忘れずに保管してください。
3. 青色申告を選ぶ
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
より多く節税するなら、最高65万円の特別控除を受けられる青色申告がおすすめです。
白色申告は記録が簡単ですが、特別控除はありません。
しかし、青色申告なら期限を守って適切に実施することで、大きく節税できます。
不安な方は税理士に有料で代行してもらえるので、任せてみるのも手です。