先日,大学の成績発表がありました.結果として私は2年連続で学科1位の成績を取ることが出来ました.
私がよく受ける質問は,「どうやってプログラミングスキルを身に着けたの?」と,もう一つ,「いつも成績いいけどどうやって勉強してるの?」という質問です.
プログラミングに関しては,ブログ中でよく書いているのですが,勉強についてはあまり書いていませんでした.
春ということで,文理選択で理系を選択した高校生や,大学は理系の学部に進学する新入生の参考になればと思い,今回私なりの理系科目の勉強方法5ステップをまとめてみます
学校では問題の解き方は教えてくれるけど勉強法は教えてくれないことが多いんです.正しい成績を伸ばす上でも今後に繋げていくという意味でも,「勉強法」がもしかしたら一番大切かもしれないのに.
目次
暗記よりも理解する
私は,理系科目において暗記は否定派です.
「暗記しない数学」なんていう本を出しているくらいですから,どれくらい暗記を毛嫌いしているかが分かるかと思います
高校レベルならまだ暗記で大丈夫かもしれませんが,理解していないといずれ詰みます
暗記は時に簡単に点数をとれます,なぜなら理解するより丸暗記したほうが速いから.しかし,同時に暗記は脆いんです.
ということで,私が実践している,暗記を出来るだけしない勉強法をまとめておきます
ステップ1 式暗記をせず,定義をしっかりと理解する
まずは,定義をしっかりと理解することが大切です.
「使われている単語の意味がわからない」「馴染みのない単語が使われている」
このように,定義の理解不足によってわからなくなることって結構多いんです.
そういう人は,はじめのうちは問題はなんとなく解けても,進むに連れてわからなくなってきます
「関数」とは?「エネルギー」とは?「加速度」とはなにか?
よくわからないまま公式を乱用して問題を解くのではなく,その用語の意味を理解することが大切です
理系科目だからと言っていきなり数式や公式をいじくる人が本当に多いのです.
定義を理解せずいきなり数式を暗記してしまうのは,「問題さえ解ければいい」という教育スタイルの影響も大きいと思います.それだと理系科目の面白さは半減してしまいます.
ステップ2 図やグラフ・公式はセットで理解する
さて,定義が理解できたら次はやっと公式に入ります.
ここで,絶対にやっちゃいけないのが公式単体で丸暗記することです.
その周辺にある図やグラフ等と組み合わせてセットで理解します.
物理などが難しい原因として「意味不明な公式をただただ暗記し,どう使っていいのかもわからない」というのがあります.
物理の等加速度直線運動の公式って,はじめて教科書の公式を見たら「うわー…」って感じですが,ちょっとグラフの面積などと紐付けて理解しちゃえば全然大したことないんですよね.
今回は勉強法の話なので,具体的な等加速度直線運動の公式の導出や「なぜ面積が変位なのか?」という話は省きますが,教科書を読めば書いてあるので,読み込んでみてください.
細かく公式を理解には,ステップ1の定義の理解が不可欠です.等加速度運動の公式を理解しようとしているのに加速度の意味がしっかり理解できていなければなにをしてるんだかよくわからなくなってしまいます.
ステップ3 公式の導出を自分で行う
公式の理解が出来たら自分で導出を行ってみてください.
本当に公式の理解ができていれば,導出過程を再現できるはずなんですね.
ステップ2で理解した図なども自分で書いてみて,その関連性などを確かめながら導出をしてみます.
教科書なんかは,結構途中計算が省略されていることも多いので,それも書きます.
こうすると,今までただなんとなく使ってきた公式の正体がスッキリしてくるわけです
よくある「公式は覚えたけどどこでこの公式を使うかがわからない」なんてことはもうなくなります
ステップ4 公式をシンプルな文章に直してみる
ここまで来たらだいぶ理解が出来ていると思います.
ちゃんと理解できているかを試すという意味も込めて,こんなことをしてみましょう.
それは,公式を小さい子に説明する勢いで表現するということ
例えば,運動方程式 ma=F
という有名な公式があります.
この公式って「軽い物と重い物を同じ力で押したら,軽いもののほうがぴゅーーーって飛んでくよ」ってだけなんです.
これなら幼稚園児でもわかりますねw
もちろん,「重いとか軽いとかは厳密には質量が大きい小さいと表現するべき!!」とか「『ぴゅーーー』はないわ」という声は聞こえてきますが,自分の中で『難しい→簡単』への変換をかます事は意外と重要です.
いろんな物理現象,公式は複雑でも意外とシンプルなことが多いのです
周りの人が頑張って暗記している公式を,「この公式ってこんなに簡単だったんだ!!当たり前のこと言ってるじゃん」と思えれば勝ち.
ステップ5 問題集で演習を積む
ここまで出来たら,問題集は解けたも同然です.
多くの人がいきなり問題集をとき始めたりするんですが,ベースとなる理解が出来ていないのに問題集を解いても進度は遅いし難しく感じて苦痛だしで,結局のところ勉強が嫌いになってしまいます.
丁寧に理解しながら,「あれってこういうことだったんだ!!」という発見がある勉強は楽しいもの
先に理解をしっかりしておけばしておくほど,演習問題を解くスピードは格段に上がります.
最終的に,覚える気はなかったけど気づけば公式が身についていたみたいな理想的な状態になります
合わせ技で効率アップ
このステップと組み合わせると絶大な効果を発揮する3つの方法をまとめておきます
スマホやパソコンは積極的に活用
僕は,いっつも授業中でもパソコンを開いています.定義とかをしっかり理解するのって結構難しいので,調べ物ツールは必須なんですね
わからない単語とかが出てきたらその場で調べて,有用そうであればブックマークをしておき,あとでゆっくり見直します.
わからないことはWebでシュッと検索してモヤモヤをあとに残さないことが大切です
「パソコン授業中に開くの禁止!!」みたいな先生もいますのでそのあたりは臨機応変にしていきましょう.
公式の類似点を見つけていく
公式を丸暗記をしていると気づかないことも多いのですが,結構類似している公式って多いんです.
例えば,万有引力の法則の公式とクーロンの法則の公式なんてもうほぼ同じ.
クーロンの法則は,小さな電荷が引き合ったり反発したりするのを表した公式なので,電荷の様子をイメージするのは難しいのですが,万有引力は結構簡単にイメージできますよね.
類似性を理解の起点にするのもかなりわかりやすくなると思います
第三者に説明する・アウトプットする
私もよくやるのですが,自分が理解したことを第三者に説明すると自分の理解度は究極に上がります.
説明する時に,無意識で自分の頭の中が整理されるんですね.学校の実験レポートとかも,アウトプットさせて頭を整理させる意図もあるそう.
私はアウトプットの手段としてブログを使っています.
大学で勉強したことを,わかりやすくブログで解説することで,自分の頭も整理され,誰かの役にも立てるという状況.
私が書いた大学数学の「ラプラス変換」なんかは月に約8千人が読んでくれています.
この勉強方法のメリット
以上が私が実践している勉強法です.
めんどくさそうって思うかやってみるかどうかは皆さん次第ですが,私はそれなりの結果を出せたので,ご参考までに.
この勉強法の最大のメリットって,先生が要らなくなることなんですよね.
自分でしっかり定義から理解して,公式,グラフ,図もきちんと抑えて演習までやる習慣がつくと,先生の授業を聞かなくて良くなります.
結果的に,先生の講義を待たないと勉強ができない他の人より遥かに上にいくことができるというわけ.
講義してくれるのなんて大学までなので,「教科書を読み込んで能動的に理解し,自分のものにしていく能力をつける」という意味でも,この勉強法を試してみる価値はあるのかもしれません.