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【暗記しない数学】図形で理解するユークリッドの互除法

最近ネタ切れだったんですが,今回は当ブログでの大人気記事の『暗記しない数学』シリーズを書いてみたいと思います!

今回は,ユークリッドの互除法を図形を使って視覚的に理解してみましょう!

Twitterのフォロワーさんが教えてくれたネタで,感動したので許可を取って当ブログで紹介させていただきます.

「ユークリッド互除法ってなんだっけ?」って方もご心配なく.はじめにしっかり復習してから,図形的理解を試みてみます.
では,行ってみましょう!!

ユークリッドの互除法の復習

まず,高校1年生の数学で習うユークリッドの互除法とはなんだったかを復習してみましょう.

ユークリッドの互除法とは,簡単に最大公約数を求めることが出来る方法のことです

ある2つの数字が与えられた時に,その両方をキレイに割り切ることができる数字の中で一番大きいものを最大公約数というのでした.

例えば,28と20の最大公約数は,4になります.

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さて,それでは次に,この最大公約数をユークリッドの互除法で求めてみましょう.

28と20の最大公約数を求める時,まず28を20で割ります.すると,1あまり8となりますね.

そして,次に「割った数字をあまりでさらに割る」という作業を行います.今回の例だと,20を8で割ることになります.

この作業を,あまりが0になるまで繰り返し行くというのがユークリッドの互除法です.

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さて,ユークリッドの互除法の計算自体は全く難しいものではないことが分かりました.ただ,おそらくこんな疑問が出てくるのではないでしょうか?

迫

なんでこの計算をしていくだけで最大公約数を求めることが出来るの?

計算方法は分かるけど意味がわからない…

この疑問を,図形を使って理解していきましょう!

「割り切れる」を図形的に

ユークリッドの互除法を図形的に理解して見る前に,「割り切れる」というのが図形的にみてどんな状態なのかを見ていきましょう.

例えば,下の図のように長さが8cmのテープ,2cmのテープ,3cmのテープがあるとします.

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この時,2cmのテープを繋げていけば,8cmのテープを作ることが出来ますが,3cmのテープを繋げていっても,8cmのテープを作ることは出来ません.

8というのは3で割り切れないので,3cmのテープをいくら繋げたところで,切ったりして長さを調整しない限り,8cmを作ることが不可能なんです.

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では,次に公約数について考えてみましょう.公約数とは,2つの数字の両方を割ることが出来る数字のことでした.

この公約数というものは,図形的に言えば『長方形の中を正方形で敷き詰める』ということに置き換えることが出来ます

例えば,「6と8の公約数」を考えてみましょう.縦の長さが6cm,横の長さが8cmの長方形を作り,それに1辺が3cmの正方形を敷き詰めることを考えてみましょう.

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もちろん,敷き詰めることは出来ません.6は3で割り切れるため,縦方向はきれいに敷き詰めることが出来ますが,横方向にはあまりがでてしまいます.

それでは,次は1辺の長さが2cmの正方形を使って敷き詰めてみます.

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ぴったり敷き詰めることが出来ました.

6も8も2で割り切れる数字のため,1辺が2cmの正方形を使えば長方形の中に正方形をきれいに敷き詰めることが出来るというわけです.

このように,「ぴったりきれいに敷き詰められる正方形をみつける」という行為が「公約数をみつける」ということになることがわかりました

最大公約数を見つけたければ,「きれいに敷き詰められる正方形の中で一番大きな正方形」を求めれば良いわけですね.

ユークリッド互除法を図形で

それでは,先ほど例題でも出した「28と20の最大公約数をユークリッド互除法を用いて求める」というのを上記と同じように図形を使ってやってみましょう.

さっきやったように,縦の長さが28,横の長さが20の長方形を用意してみます.

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ここから,ユークリッドの互除法を図形と照らし合わせてみるのですが,わかりやすいようにさっきのユークリッドの互除法の手順に名前をつけてみます.

それぞれ,ステップ1,2,3と名前をつけました.

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まず,ステップ1について見てみます.ステップ1では,28を20で割った時の商とあまりを求めています.

これって,「1辺20cmの正方形を入れた時に何個正方形を敷き詰められて横方向に何cm余るか」を計算しているのと同じことです

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ステップ2では,20を8で割っていますね.

これも,先ほどと同じように考えると,「残りのスペースに1辺8cmの正方形を敷き詰めた時,何cm余るかを計算している」という話になります.

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ステップ3では,8を4で割り,あまりが0になっています.

つまり,ステップ3の「1辺4cmの正方形を敷き詰める」という作業で見事に正方形を敷き詰めることが出来たということになります.

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ここで,オレンジの正方形は1辺20cm,黄色の正方形は1辺8cm,水色の正方形は1辺4cmなので,オレンジ,黄色の正方形はそれぞれ水色の正方形を使ってきれいに敷き詰めることが出来るということになります

さっき,「縦も横もきれいに敷き詰めることが出来る正方形の中で最大のものが最大公約数である」という話をしたので,次の画像のようになるわけです.

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最後にまとめてみましょう.よくわからないまま暗記していたユークリッドの互除法も,意味がわかれば「確かに…」となりませんか?

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お礼

いつもTwitterで面白いリプを飛ばしてくれる,坂どんさんありがとうございます.

元ツイートはこちら.

最後に

いつも言ってることですが,「とりあえず公式だから覚えなさい」は何の意味もないと思っています.

「なぜこの公式が成り立ち,どんなところで有用なのか」をわかってこそ使えるのが数学.

他にもいろんな記事があるので,興味が出た方は是非チェックしてみてください!