こんにちは,学生エンジニアの迫佑樹(@yuki_99_s)です.
高校生の方たちがががんばって覚える公式の1つである加法定理.
$$\sin(\alpha + \beta) = \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta$$
$$\cos (\alpha + \beta) = \cos \alpha \cos \beta – \sin \alpha \sin \beta$$
こんなやつですね.
某先生がこんな教え方をしているのを見たことがあります.
教授
cosの加法定理は,コスモスコスモス咲いた咲いた
絶対わすれるでしょ.
三角関数の加法定理は,文系でも理系でも,誰しもが高校で習うんですが,意外と図形的な意味を理解してる人って少ないんです.
ということで,今回はこの,加法定理を折り紙を使って理解してみましょう.
折り紙を使った証明
例えば,下にこんな折り紙があると考えます.
これを,真ん中あたりで折ってみましょう.
すると,以下のようになりますね.
ここではわかりやすいように,表と裏が違う色の折り紙を使っています.
折り目の長さが1だったとして考えてみましょう.
この青い部分の三角形だけ抜き出して考えてみましょう.
以下の図のように,折った角度が角\(\alpha\)だとすると,青い三角形の各辺の長さは以下のようになりますね.
今は,青い部分の三角形だけを抜き出したので,元の場所に戻してあげます.
以下の図に示す場所を角\(\beta\)とします.
小学校で,「三角形の3つの角の和は180°」と習ったと思います.
つまり,それを使うと,以下の図の緑色で示したところは,\(180-90-\beta\)度ということになります.
では,以下の黄色で示した部分の角度はいくつでしょうか.
小学生でもできる計算ですが,「180度から,緑の角度と90度を引いたものですね.
緑の部分は,\(180-90-\beta\)度だったので,黄色の部分の角度は,\(180-90-(180-90-\beta) = \beta\)となります.
つまり,当たり前ですが,黄色の部分の角度は\(\beta\)となります.
よって,角度を図示すると,以下のようになります.
では,次に左上の三角形を抜き出して,各辺の長さを考えてあげましょう.
この三角形,斜辺の長さが\(\cos\alpha\)なので,各辺の長さは以下のようになります.
右の三角形も,同様に斜辺の長さが\(\sin\alpha\)なので,各辺の長さは以下のようになります.
これで,ようやく必要な長さがすべて揃いました.
実際に加法定理を求めていく
今回求めた長さをすべて書き込んでみると,以下のようになります.
この図で,\(\sin(\alpha+\beta)\)はどこかを図示してみましょう.
すると,\(\sin(\alpha+\beta)\)は, \(\sin \alpha \cos \beta\) と \(\cos \alpha \sin \beta\)の和であることがわかります.
では,cosの加法定理を示してみましょう.
sinのときと同様にして,\(\cos(\alpha+\beta)\)の場所を図示してみます.
すると,\(\cos(\alpha+\beta)\)は,\(\cos \alpha \cos \beta\)と\(\sin \alpha \sin \beta\)の差であることがわかります.
よって,めでたくこの2つを示すことが出来ました.
\(\sin(\alpha + \beta) = \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta\)
\(\cos (\alpha + \beta) = \cos \alpha \cos \beta – \sin \alpha \sin \beta\)
もちろん,このくらいは覚えておくことが望ましいですが,ふとした瞬間に「あれ?符号なんだっけ?」とか,「どっちがsinでどっちがcosだっけ?」とかなってしまうわけです.
簡単な図ですし,一回納得しておけば試験前の安心感も全く変わってくるものです.