「副業で稼いでて確定申告しないとバレる?」
「もしバレたらどうなる?」
「どうやって申告すればいいの?」
などの悩みにお答えします。
「副業で少し収入ができたけど、まだ確定申告はしなくても大丈夫だよね?」と思っていませんか?
確定申告をしないと、状況によっては多額の追徴金を支払う必要性がでてくるため、副業であっても正しく申告することが大切です。
ところが「どうやって進めればいいか」がわからないと、不安な方もいますよね。
そこで本記事では副業の確定申告について、以下の内容を紹介します。
- していないことがバレる原因
- しないリスク
- 具体的なやり方
確定申告はしないだけで損するリスクがあるので、ポイントを押さえて今年からきちんと申告しましょう。
副業の確定申告しないとバレる7つの原因
確定申告をしないとバレる原因は以下の7つです。
- 銀行口座の履歴
- 取引先の支払調書
- 不動産の購入
- 知人などによる情報提供
- 税務署による税務調査
- 一般取引資料せん
- 国税庁による無申告の調査
以下で詳しく見ていきます。
1. 銀行口座の履歴
銀行口座は日頃の収支を細かく記帳しているため、ごまかしがききません。
税務署は、確定申告していない疑いがある人の口座を、必要な範囲で閲覧できます。
さらに口座の確認は、銀行と税務署が無申告者への通達なしで確認するため、怪しまれていることに気づけません。
第三者の銀行が管理する口座の履歴は、動かせない事実なので嘘をつけば簡単にバレてしまいます。
2. 取引先の支払調書
支払調書とは「1年間で誰に、いくら払ったか」を記した書類です。
年末調整とは関係ない報酬を支払った際に、支払う側が作成します。
これは報酬の受け取り側に加え、税務署にも提出されるので、支払額を把握されるのです。
支払い元の会社に税務調査が入り、芋づる式に無申告者が発覚する例は珍しくありません。
確定申告は、関わった取引先の数だけ、無申告がバレるリスクがあると考えておきましょう。
3. 不動産の購入
不動産を購入した場合、購入資金をどのように準備したのかチェックします。
たとえば、親からまとまった金額を受け取った場合に贈与税の申告漏れなどがないか確認するのです。
これはローンを組む場合も、一括購入の場合も含みます。
お金の動きが怪しいと判断された場合は、税務調査が入ることもあるので注意してください。
4. 知人などによる情報提供
知人などの第三者による税務署・国税庁への情報提供でバレる場合があります。
副業で多くの収入があった場合、税金を払っていないことをSNSで投稿すると、目にした人が通告するケースもあるのです。
情報提供はWebページ上ででき、匿名でも可能なので簡単に伝わります。
軽率なSNSの発言は、リスクを大きくするだけなので控えるべきです。
5. 税務署による税務調査
税務調査とは、国税庁が管轄する税務署によって、納税者が正しく税務申告しているか調査することです。
銀行口座や帳簿だけでなく、税金の調査・徴収のために必要であれはすべて対象となります。
突然税務署から連絡が来るので、疑わしい行為はNGです。
6. 一般取引資料せん
一般取引資料せんとは、売上、仕入れ、費用及びリベート等に関する資料のことです。
これは事業者に対して、提出が義務付けられることがあります。
適正・公平に課税や徴収を行う目的なので、提出を求められても無申告を疑われているわけではありません。
ただ、提出によって事業状況を確認されるので、嘘の申告はバレてしまいます。
7. 国税庁による無申告の調査
無申告は税務署だけでなく、国税庁もチェックしています。
自主的に確定申告して税金を納めている人との公平性を保つためです。
また、無申告者の調査は強化されており、追徴金額も年々増加している事実もあります。
調査を受けて発覚すると、追徴課税で多く税金を納める必要が出てくるため、確定申告できちんと納税しておきましょう。
副業で確定申告をしないと損するリスクが高まる
副業で確定申告をしないと損するリスクが3つあります。
- 税金の上乗せや懲役・罰金が発生する
- 前年度の赤字を繰り越せない
- 源泉所得税が差し引かれたままになる
順番に見ていきます。
税金の上乗せや懲役・罰金が発生する
副業収入を確定申告しないと、以下の罰則があります。
- 無申告加算税や延滞税、重加算税の上乗せ
- 3年以下の懲役や20万円以下の罰金(両方の可能性あり)
無申告加算税は、基本的に見払い額の15%(未払いが50万円を超えると20%)です。ただ、悪質な場合は重加算税という扱いで、原則未払い額の40%と非常に高額となります。
また、延滞税は申告の期限を過ぎた日数が増えるほど高くなるので注意してください。
さらに、懲役や罰金を受けたり、その両方が課されたりするリスクもあります(国税通則法126条1項)。
一括の納税が厳しい場合は、支払額を分割できることもあるので、確実に申告しましょう。
前年度の赤字を繰り越せない
通常、確定申告をしていれば、事業の赤字は翌3年間繰り越せます。
3年以内に利益が出た時に、繰越欠損金(繰り越した赤字)と相殺できるので、課税額が低くなるのです。
ただ、無申告でバレた場合には、前年度の赤字を繰り越せません。
事業に赤字がある場合にも、後々損しかないので確実に申告してください。
源泉所得税が差し引かれたままになる
副業でクラウドソーシングや内職、委託契約のアルバイトをしている場合は、源泉所得税が天引きされているケースがあります。
税金を前払いしているのと同じなので、確定申告することで源泉所得税が戻ってくるかもしれません。
例えば毎月1万円を源泉徴収で天引きされていて、所得税の総額が7万円だった場合、確定申告で5万円が還付されます。
ただし、無申告の場合は、支払ったままなので戻ってきません。
税金の分だけ余分に収入が下がってしまうため、注意が必要です。
副業の確定申告は年収20万円超が基準
一般的に、副業の確定申告は年収20万円を超えると必要になります。
これは副業の収入が複数ある場合、個々の副業で得られた年収が20万円以下でも、合計額が20万円を超えると確定申告が必要です。
しかし、以下の2つの条件を満たす場合は必要ありません。
- 給与所得の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控除を除く)を引いた金額が150万円以下
- 所得金額の合計額(給与所得や退職所得以外)が20万円以下
副業年収が20万円を超えたから確定申告が必要なわけではないですが、念のために副業年収の再計算と事前準備は行いましょう。
また、副業年収が20万円以下であっても住民税(収入の約10%)の申告は必要です。
少しでも副業の収入があれば、住民税の申告と納付が義務付けられているので、納め忘れは脱税にあたります。
確定申告しなくても良いからと安心せず、住民税の申告には注意してください。
副業の確定申告のやり方を5ステップで紹介
ここでは、副業収入の確定申告が必要な方へ、やり方を5ステップでご紹介します。
- 事前に請求書やレシートをまとめておく
- 取引を記帳する
- 確定申告に必要な書類を用意する
- 確定申告書を用意する
- 管轄する税務署に申告する
順番に確認していきましょう。
1. 事前に請求書やレシートをまとめておく
まずは、経費や減価償却費の根拠となる請求書・レシートを保管しておくのが大切です。
できれば月別や、交通費・交際費などの用途別で分けておくのをおすすめします。
いつ、どこで、誰と、何のために使ったお金なのかを明記し、保管してください。
随時分けておけば、あとから確定申告が楽になります。
2. 取引を記帳する
副業の所得を確定させるために、帳簿を作って収入と経費を記録しておきましょう。
特に、確定申告の際に青色申告を選ぶなら、内容をより細かく記入する必要があります。
今のうちから帳簿をつけ、都度記帳することを習慣化しておくのがおすすめです。
3. 確定申告に必要な書類を用意する
確定申告時には、主に以下の書類が必要です。
- 本人確認書類(マイナンバーカードや免許証など)
- 確定申告書A・B(収入状況に応じて変化)
- 収支内訳書(白色申告の場合)
- 青色申告決算書(青色申告の場合)
- 銀行口座の情報がわかるもの(還付がある場合)
- 控除の証明となるもの
確定申告の段階では、経費の領収書や支払調書などは必要ありません。
ただし保管義務があるので、万が一税務調査が来たときにスムーズに提出できるように、わかりやすく保管しておきましょう。
4. 確定申告書を用意する
必要な書類が揃ったら、確定申告書を作成します。
これは得ている所得の内容によって様式が異なり、AとBの2種類です。
迷ったらBを選べば間違いありません。
場合によっては、以下の2種類の書類もあると良いので頭の片隅に入れておいてください。
- 確定申告書第三表:譲渡所得や雑所得がある場合
- 確定申告書第四表:所得がマイナスで、赤字を翌年に繰り越す場合
なお確定申告ツールなどを利用すれば、経費や売上を入力するだけで、自動的に確定申告書を作ってくれます。
「やよいの確定申告シリーズ」や「freeeの確定申告ツール」などを使ってみてください。
5. 管轄する税務署に申告する
必要な書類がすべてそろい記入が終わったら、管轄する税務署に届け出ましょう。
税務署に直接届けるか、郵送すれば手続きが完了です。
さらに、事前の申し込みでインターネットを使って申告できる「e-Tax」を利用すれば、より簡単に手続きを進められます。
自分に合った方法で、正しく確定申告を行いましょう。