「クライアントから履歴書の提出を求められて困っている」
「フリーランス期間の正しい書き方がわからない」
「手間をかけずに履歴書を作成したい」
このような悩みを抱えていませんか?
履歴書は即戦力になれるスキルだけでなく、人柄や仕事への取り組み方をアピールするためにも重要です。
しかし、的確に書けていないと、フリーランスとして活動してきた期間が先方にマイナスの印象を与えてしまう危険性があります。
そこでこの記事では、以下の内容を詳しく解説していきます。
- フリーランスで履歴書が必要になるケース
- フリーランスが履歴書で記入すべき項目
- 具体的な履歴書の書き方とコツ
- おすすめのテンプレート
記事の内容を真似すれば、誰でも魅力的なフリーランスの履歴書が書けるはずです。簡単に履歴書が作成できるテンプレートも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスで履歴書が必要になる3つのケース
フリーランスで履歴書が必要になるケースは、主に以下の3つです。
- 企業への転職
- 案件受注・業務請負
- エージェントサービスの利用
それぞれ履歴書の提出が求められる理由も解説していきます。
1.企業への転職
一般的な転職活動と同様に、フリーランスから正社員やアルバイトとして企業に就業する際にも履歴書が必要です。
採用担当者にとって履歴書は、あなたのスキルや経験が希望職種と結びついているかの判断材料になります。そのため企業では、履歴書と一緒に職務経歴書の提出が求められることも多いです。
もし「書き方がわからないから」とフリーランス期間を記載しない場合、空白期間と見なされてしまうので注意してください。
2.案件受注・業務請負
案件受注・業務請負の際にも、履歴書の提出が必要になるケースがあります。
大規模なシステム開発のように、月や年単位といった継続案件では高い信頼性を求められるためです。特にクライアントが大手企業の場合、履歴書の提出を要求されやすい傾向にあります。
案件によっては一定の学歴や職務経験が必須のものもあるので、フリーランスであっても履歴書をすぐに作成できるように準備しておくと安心です。
3.エージェントサービスの利用
エージェントサービスは、あなたの経歴やスキルに適した案件を提案してくれるサービスです。高単価のものや大手企業との案件も豊富なので、正社員の採用と同様に履歴書が重視されます。
フリーランスがエージェントサービスを利用する際は、スキルだけでなく信頼性や人柄も確認されると念頭に置いておきましょう。
フリーランスが履歴書で記入すべき6項目
フリーランスが履歴書で記入すべきは、以下の6項目です。
- 基本情報
- 学歴・職歴
- 資格
- 志望動機
- 自己PR
- 業務実績
どの履歴書やテンプレートでも、おおよそ同じです。順番に確認していきましょう。
1.基本情報
履歴書の基本情報は、以下の項目が一般的です。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 現住所
- 連絡先
- 本人証明写真
氏名や住所では振り仮名をふります。「ふりがな」と書かれていた場合はひらがなで、「フリガナ」と書かれていた場合はカタカナで書くのがルールです。
また、本人証明写真は撮影してから3ヶ月以内のものを利用するのが無難です。ただし、証明写真をスキャンしてデータとして添付するのはNGとされているので、注意してください。
2.学歴・職歴
学歴では高校、大学に関して書いておけば問題ありません。フリーランス以外にも就業経験がある場合は、学歴の次に職歴を書いてからフリーランス歴を書きます。
また、スキルについては別途記述するのが一般的です。職歴では、フリーランスとしてどのような業務に携わり、事業運営を行ってきたのかを手短に明記しましょう。
3.資格
取得している国家資格やベンダー資格を記載します。資格の種類と、取得した日付を明記してください。1級や準1級のように高度なものや、業務に役に立ちそうな資格は積極的に記載しましょう。
ただし、ベンダー資格の場合は合格から3年間などの有効期限が設けられている可能性があるので、期限が切れていないか確認してください。
4.志望動機
フリーランスの履歴書において、志望動機は最も注力して書くべき項目だと言えます。これまでどのような経験をして、どういった理由で今回の応募に至ったのかをアピールするためです。
先方の担当者は即戦力としてのスキルがあるかだけでなく、金銭以外の目的があって応募してきているのかも重視しています。
どのような魅力を感じて志望したのか、時間をかけて丁寧に書きましょう。本やネットの情報を写すのではなく、自分の言葉で伝えるのが大切です。
5.自己PR
自己PRは、自分の優秀さをアピールするためのものではありません。自分は先方が求める人材であり、価値を提供できると伝える必要があります。
たとえば、以下のようなフリーランスならではの強みを記載しましょう。
- 納期には必ず間に合わせる責任感
- 新しい知識を身に着ける学習意欲
- 進捗を常に把握する管理能力
- 適切な報告連絡相談ができるコミュニケーション能力
転職の場合は企業ホームページや求人情報から選考ポイントを確認して、先方のニーズを把握しておくのが望ましいです。
6.業務実績
経験した業務がどのようなものか先方がイメージできるように、できるだけ詳しく記載してください。仕事を請け負った企業名や期間だけでなく、実績は具体的な数字で表すのが効果的です。
Webデザインやホームページ制作など、自分が携わったページが公開されている場合にはURLを記載しましょう。
また、業務の中で苦労した点や改善した過程についても記載すると、課題解決能力のアピールにもなります。
フリーランスの履歴書の書き方3パターン
フリーランスの場合、一般的な職歴とは記入方法が異なる部分があります。こちらでは、履歴書の書き方を以下の3パターンに分けて解説します。
- 開業届を提出している場合
- 開業届を提出していない場合
- クラウドソーシングを利用していた場合
記入例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.開業届を提出している場合
開業届を出しているフリーランスは、法律的には個人事業主です。そのため履歴書の職歴には「フリーランス」ではなく「個人事業主」と書き、開業日も明記します。
屋号もある場合は事務所や店舗の名前を記載し、どのような仕事に従事してきたかを時系列順に記入していきましょう。また、活動を辞めた場合の表現は「廃業」です。
<記入例>
令和○年○月 個人事業主として開業
アプリ開発などに従事
令和□年□月 一身上の理由により廃業
開業届を提出している場合は、履歴書に必ず記載してください。きちんと手続きをしたという事務的な処理の面で一定の評価を得ますし、従業員を雇っていればマネジメント能力や経理に関する知識もあると判断されます。
2.開業届を提出していない場合
開業届を出していない場合は「開業」ではなく「活動」や「従事」と記載します。日付は実際に案件を受注し始めた時期を記入するのが一般的です。また、活動を辞めた場合は「活動停止」という表現になります。
<記入例>
令和○年○月 個人事業主として活動
アプリ開発などに従事
令和□年□月 一身上の理由により活動停止
開業届を出していなくても、法律上での罰則はありません。しかし、念の為「なぜ提出しなかったのか」を説明できるようにしておくと安心です。
3.クラウドソーシングを利用していた場合
クラウドソーシングを利用していた場合は、
- サイト名
- 登録期間
- 案件名や案件数
などを職歴に記載します。クラウドソーシングでの活動履歴を明記する場合は「登録」や「退会」と表現するのが無難です。
<記入例>
令和○年○月 クラウドソーシング○○○○にプログラマーとして登録
アプリ開発などを請け負う
令和□年□月 クラウドソーシング○○○○を退会
応募先の事業に貢献できる案件を受注していた場合には、積極的に記載するようにしましょう。
フリーランスが履歴書を書くコツ
フリーランスが提出先に適した履歴書を書くコツを紹介します。
- 企業への転職の場合
- 案件受注・業務請負の場合
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.企業への転職の場合
企業への転職を希望する理由が、ネガティブにならない内容にしてください。
特に注意すべきなのが、収入や生活の安定を志望動機として書かないことです。担当者によっては「実力不足でフリーランスを断念した」と判断されかねません。
たとえば以下のように、フリーランスから会社員を目指す理由をポジティブに記載しましょう。
- フリーランスではできない規模の仕事が企業では実現できる
- 研修を通してさらにスキルを磨き、会社に貢献できる
- 企業理念と自分の価値観が合致している
採用担当者からすれば、なぜ自由なフリーランスから会社員に転職したいのかは気になるポイントです。先方から「会ってみたい」と思われるように、前向きな表現を工夫をしてください。
2.案件受注・業務請負の場合
案件受注・業務請負の場合は、どのような成果をあげられるのかアピールするのがコツです。履歴書の提出を求められる程の案件は条件が優れており、ライバルが多いです。そのため、差別化が欠かせません。
以下のように、先方があなたの活躍をイメージできるように記載していきましょう。
- クライアントの要望と自分の能力がマッチしている
- 同じような案件を引き受けた経験がある
- 実績を具体的な数字で分かりやすく伝える
ただし、過剰に書きすぎてしまうと信用性を失う恐れもあるので気をつけてください。
フリーランスの履歴書では守秘義務に注意
フリーランスが履歴書を作成する際に、注意すべきは守秘義務です。実績をアピールするためには、業務を請け負った社名や具体的な数字を示すのが効果的です。
しかし、案件や業務内容によっては、外部に漏らしてはいけない情報もあります。無断で公表するとトラブルの原因になり、最悪の場合は裁判沙汰になる危険性も考えられます。
守秘義務により社名などが明かせないケースでは、履歴書の職歴には「某〇〇業界の△△業務に従事」のように簡単な仕事内容を記載しましょう。
守秘義務をきちんと守ることで、ルール違反をしない誠実な性格だというアピールにもつながります。
フリーランスの履歴書作成におすすめのテンプレート
履歴書を作成するには、テンプレートの利用が効率的です。以下のようなメリットがあります。
- 誰でも読みやすい履歴書が作成できる
- 間違えても書き直す手間がない
- 他の企業へ提出する際も転用できる
- 基本的なPCスキルの証明になる
フリーランスの履歴書作成には、以下2つのサイトが提供しているテンプレートがおすすめです。
近年ではデータで履歴書を送る場合がほとんどなので、PDF形式で準備しておくのが望ましいです。
ぜひ記事の内容を参考に、自身がフリーランスとして身に付けたスキルや魅力を、余すことなく伝えられる履歴書を作成してくださいね。